邦画しか観ません。

日本映画の感想文。基本的に原作未読で在宅鑑賞。ネタバレしてます!

2016年07月

『なま夏』感想。

ゆうばり映画祭でグランプリを受賞した吉田恵輔の監督デビュー作。同年『机のなかみ』と同じく、自慰・流血・女子高生な恋愛映画。濃厚。
個人的評価:★★★★★★★☆☆☆
namanatsu
2005年01月28日公開/57分/日本/映倫:---
監督・脚本・編集:吉田恵輔
出演:蒼井そら 三島ゆたか 成神涼 坂本あゆみ 三島佳代

<あらすじ>
中年サラリーマンの益雄は、通勤電車で一緒になる女子高生の杏子に恋をしており、盗撮した彼女の写真を自室の壁一面に貼っていた。妹にストーカー呼ばわりされ逆ギレした益雄は、盗聴器を仕込んだプレゼントと手紙を渡して杏子に告白するが、陰で悪口を言われていること知ってしまう。通勤電車でナイフを手に杏子に痴漢行為を働くものの、後ろから押されナイフが彼女の背に刺さってしまった。自殺を図るが未遂に終わった益雄は入院となり、すでに入院していた杏子と同室になった…。
(以上allcinemaより)

namanatsu2

『ヒメアノ~ル』が高評価を受けているようなので見直してみました。ストーカーじみた片想いに狂う青い三十代の恋物語。

純愛映画といえば日本では(御涙頂戴系)難病モノなんかが主流ですが、本作の主人公はチビ・デブ・ハゲの三重苦を抱える中年サラリーマン。当然彼女がいるわけもなく友人さえもいない。おそらく童貞。時期的に『電車男』との比較もあったようですが、こっちはホンモノ。ガチのブサメン。
この主人公・益雄を演じるのが吉田恵輔作品の常連俳優である三島ゆたか。そのサエないビジュアルからキャラ設定への説得力は抜群でしたよ!

たいていの映画では、クズな主人公も挫折や葛藤を経てなにかしら成長したりするもんですが、本作ではそれがなく、結局最後まで転がり落ちるだけ。
吉田恵輔がときおり見せる不快感を濃縮したような、救いのないような脚本でした。

namanatsu3

恋焦がれる相手は毎朝通勤電車で乗り合わせるだけの女子高生です。出会う場面は描かれず、序盤から圧倒的な生々しさで恋に狂っている主人公。

まずはオープニングから凄い!(キモい!)
タオルケットをかぶった益雄が顔を歪めて自慰に耽るというもの。
小汚い中年男のリアリティ、これがとにかく惨めで泣けてくる。
そして壁一面には意中の女子高生を隠し撮ったであろう写真がドッサリ。
まあ、傍から見れば変態なんですが…。
本人的には純粋に恋してるだけなんですよ!
画面に漂う素晴らしいボンクラ感。恋に狂ったキチガイはみんな写真を壁に貼り付けるけど、ふすまに貼るというのが日本的ですごく良い!
しかも実家暮らし。この閉塞感がなんとも言えません。

ヒロイン杏子役には前時代のスーパーAV女優・蒼井そら。
ちなみに本作はピンクでもポルノでもなく彼女はまったく脱ぎません。

namanatsu4

杏子は歯科助手のアルバイトをしています(職業のチョイスがエロすぎ)。
益雄は仕事が終わると、杏子の生活を監視する日々。
そんなある日、妹が彼氏を家に連れてきます。
その際に自室のキモいストーカー写真を見られてしまい、「好きだったらいいかげん告白しなさいよ!」と妹から説教を喰らってしまいます。
ムカついた益雄は杏子に告白することを決意するのでした。

翌日、彼女にプレゼントと恋文を渡すのですが、これがホントに最低。
クマのぬいぐるみに盗聴器を忍ばせるクズな主人公・益雄。
彼女にどうにか物を受け取らせ、その場を離れるとすぐさま盗聴。
すると、手紙を読んだ彼女が「きもちわるい」と言っており、渡したプレゼントは投げ捨てられてしまう…。そのことでトイレで号泣する益雄。ここのドキドキ感は楽しかったし、追い打ちのように壁のラクガキにバカにされる演出も面白すぎ。

namanatsu5

彼女にふられたことで5日も会社を無断欠勤するダメ人間・益雄。
そして歪んだ愛情はさらにクレイジーな方向へ。
「こんなに愛しているのに、ひどい!」(とは言ってないが、そんな感じ)
逆恨みから益雄は彼女への復讐に向かいます。

とんでもなく身勝手!でも、こういう奴は絶対に現実にもいるはず!

復讐の方法は、電車に乗って、ナイフで脅して、彼女を痴漢!
欲求がストレートすぎて…嘘のないところは好感度大だ!(しかしクズ!)
そして、まんまと生尻を触れたものの、彼女の背中を刺してしまいます。
刺されたショックで失禁する杏子。足元の溜まりに滴り落ちる血。

ここすごくエロいんですが…発想がどうしようもないし、なりゆきも最悪!
本当にこいつには死んでほしいと思いましたよ!!

namanatsu6

で、死のうとする主人公。
罪悪感から廃墟にて自殺を試みます。
しかし、首を吊った瞬間に「やっぱり死にたくない」という想いが爆発!
ジタバタ暴れた結果、運よくロープがほどけ地面に着地。

(死ねよ!ちゃんと死ね!)
ここ超面白かったけど!

namanatsu7

落っこちて転んだ拍子に細めの鉄パイプが首筋に刺さってしまいます。
ここで吉田恵輔が塚本晋也から受け継いだ【人体から鉄片】という秘儀を披露。
さらにこの鉄パイプの穴から血がドロドロ吹き出すという滑稽さ。
痛そうだし哀れだし面白味もあり、このシーンは地味だが最高だ!
ごく自然に「いででででで」と唸ってしまう三島ゆたかも巧い。

namanatsu8

首を怪我したことで入院することになった益雄。
なぜか知らないけど偶然にも杏子と同じ病室に!
しかもすぐ隣のベッドって…都合良すぎるぞ!

まあ、でもここからようやく二人の健全な交流が始まっていくのです。
お菓子やマンガなどを与え合うことで徐々に仲良くなっていく二人。
マンガのチョイスなんかはお互いの人柄が出てて良かったと思います。
(『ジャイアント台風』『餓狼伝』『ときめきトゥナイト』『恋愛カタログ』など)
顔を合わせることはありません。
カーテン越しに腕だけ出し合って会話するという奇妙な関係性。
主人公は顔を見られたら痴漢の犯人だとバレてしまう、しかし杏子と話がしたい。そういう微妙な感情がよく表れていたと思います。
顔見られたくない!っていう場面はもうすこし早い段階で入れてほしかったけど、このあたりは幸福感もあり、楽しかったですよ。
音楽もひたすら軽快でウキウキ感を煽るもの。

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しかし、杏子の元カレが病室にやって来たことで幸せな日々も終わってしまうのでした(元カレはフツーに浮気している軽薄な奴)。ここはちょっとエグめ。

夜中性欲を満たすため訪れた元カレがエロいことをしつこくせがみます。
しょうがなく口でヌいてあげる杏子。
それをカーテンの隙間から見てしまった益雄は絶望し号泣。
そして泣きながら服を脱ぎ、オナニー。(キモいが切ない!)
彼女の制服(?)に着替え、杏子の前に姿を現す益雄。
シーンが変わり、唐突に益雄の自殺シーン。
<おわり>

namanatsu11
わかりにくいですが、誰かが首吊ってるラストショット!(たぶん主人公)

とにかく結末がいきなりなんですよね!!
途中までじっくり丁寧に描いている感じもあり、面白かったですよ。
けどラストがちょっとわかんなかったです。
言わんとしていることは分かりますが、最後の急ぎ足感がどうしても気になりました。なので、もうちょっと長く見たかったという感じ。

基本的には不完全で愚かな人間がいてこそ映画は面白くなると思ってるタイプの人間なので、こういう主人公は全然アリでした。
とは言っても、こいつが生き延びてたら胸糞悪くなったような気もします。
そのため最後に自殺という選択は間違ってないと思いましたよ!

『さんかく』『純喫茶磯部』『机のなかみ』そして本作と、一方通行な片想い映画ばかり撮っている監督ですよね。恋は成就しないという価値観なんでしょうか。好きだなー。

namanatsu9
幼い頃に友人の姉を見て女子高生に憧れた主人公だったのでした。

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これも男が破滅していく話でしたー。最高に面白い。

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吉田恵輔だったら個人的にはこれが一番好きなんです!!

『orange −オレンジ−』感想。

胸キュン恋愛映画かと思ったらSFでした。若干ときめきましたが、泣かせ演出が多すぎて…。原作未読。
個人的評価:★★★★★☆☆☆☆☆
Orange
2015年12月12日公開/139分/日本/映倫:G
監督:橋本光二郎
出演:土屋太鳳 山崎賢人 竜星涼 山崎紘菜 桜田通 清水くるみ

<あらすじ>
高校2年生の高宮菜穂(土屋太鳳)に、10年後の自分から手紙が届く。そこには、26歳になったときに後悔していることが数多くあること、転校生の翔(山崎賢人)を好きになるが、彼が1年後に死んでしまうことがつづられていた。当初はイタズラだと思った菜穂だったが、手紙に書かれていることが現実に起こり始める。菜穂は後悔しないため、そして翔を救うために行動を起こす。
(以上シネマトゥデイより)

Orange2
パラレルワールド映画です。

まったく予想外の不思議系SFだったのでテンション上がりましたー!
まあ、なんかやりつくされたような題材なんですが、何もない恋愛映画よりは得した気分になれる気がします!
今回も予備知識ゼロで観ました。
わかってたのは主演が『まれ』の人で恋愛映画ってことだけ。
(女子高生が登場する映画はとりあえず全部観たい)

Orange3

未来からの手紙により10年後の自分が後悔していることを知った女子高生が、大切な人を救うため運命を変えようと奮闘する青春群像劇。
10年後、山崎賢人は死んでます。
それを知った土屋太鳳さんが「その運命、変えてやる!!」と一生懸命頑張る話。

Orange4
手紙はこんな感じ。元ネタ考えた人が一番エラい。

前半はけっこう面白かったですよ(初っ端から決定的な凡ミスを犯しますが)。
「○○後悔してる。だから○○して!」という内容の手紙(指令)が26歳の自分から届き、ミッションをこなしていく菜穂ちゃん。
書かれていることを一生懸命こなしていくのですが、未来が徐々に変わり始めパラレルワールドに入りこんでしまいます。
それからは自分で考えつつ行動…。
しかし後悔を消せなくて…そのことで後悔したりもします!
わりとウジウジ系の主人公。

Orange11
耳打ちみたいなキスシーンは良かった。

土屋太鳳って人は演技が上手いのかヘタなのかよくわかんなかったのですが、なんとなく一生懸命さは伝わってきたし健気で一途な処女感がしっかり出てたので好感を持てました。
なので途中まで「菜穂ちゃん頑張れ!翔死ぬな!」と応援できた気がします。
手紙が届いても最初は「なにこれ?」って感じで信用しません。しかし、それがガチだと気づいた時のリアクションが「やだ、なんか怖いッ!」なのも良かった。

Orange14
お母さんが亡くなり鬱っぽくなった末自殺した成瀬翔さん。

舞台は長野県です。
翔(山崎賢人)は東京からの転校生&イケメンなので校内では程よくモテモテ。先輩(真野恵里菜)に告白されて付き合って、しかもアッサリ捨てちゃう。
リア充爆ぜろ!的な展開なんですが、実は暗い過去が…。前の学校では周りに溶け込めず友達ができなかったみたいです。

死ぬ運命の人だからか、あまり否定的には見れませんでした。
そして、ところどころキュンキュンしたりもしました。
女子目線っていうか、主人公目線で見れた気がします。
「後悔したくない」という想いへの共感が大きかったためかもしれません。

Orange6

山崎賢人は『L♡DK』『ヒロイン失格』そして本作と、三作続けて恋愛映画。
そして、三作続けて花火見てます!(ここはちょっと面白い)
もうこの描写も完全に定型化してきている気がします。
花火見てれば女子中高生は感動するものなんでしょうか…。
前二作はここでキスシーンでしたが、今回はありません。
その代わりに【手を繋ぐ】というドキドキ感を描いてました。

Orange13
ちなみに、お母さんは薬いっぱい飲んで死んでましたよ!

翔の母親が負の要因みたいなもんなのですが、病気で苦しんでたりして一応はいろいろと悩んだ挙句の自殺だったようです。
正直これは理由付けのみの安易な解決手段に思えました。
「お母さんが病気だったんだ…」とか、ずるい。
そりゃつらいに決まってんだろ!としか思えないし、大袈裟に長々と喋らせるようなことですかね…(そういう映画は山ほどありますが)。

Orange7
翔の抱えている重いもの(悩み)を皆で支えるという超わかりやすいシーン。

仲良し六人組は悪くなかったと思いますよ!
後半になると、みんなで協力して翔の死を食い止めたり、みんな頑張ってた!
自分の身近にこんな人たちがいたらもちろん鬱陶しいですが、「翔が死ぬ」ってことを知ってからはそれぞれ熱い友情が丸出しになってて面白かったです。
とくに体育祭なんですけど!
…見ているだけでも恥ずかしいようなセリフが飛び交ってて、リレーの最中の翔への伝言ゲームとか赤面ものでしたよ。
恥ずかしいんですけど、でも、なんか良かったです。
青春だなーと思いました。
その際の口パク演出も、一周回って面白かったです。
「未来で待ってる」って、『時かけ』なのかな…。
学園モノSFなので影響は多少あったと思います。

Orange5

しかし、肝心の(?)SF描写は全然ダメ!!
映画全編通して最も不満な点ですよ!
現在と並行して10年後の未来も描かれています。
観ている間ずっと気になっていたのは【手紙がどうやって届くのか】だったのですが、切手貼って、缶に入れて、土に埋めて…おわり。
「届くといいね…」「うん」

えええ………。

届くわけないだろ!!
さすがに都合が良すぎます!
一番気合い入れて撮るべきシーンだったと思うので残念!
というか、そもそもここは説明する描写が、ほぼ無い。想いが届いて奇跡が起きたにしても、もうちょっとちゃんと念じろ!
SF(すこしふしぎ)要素が圧倒的に不足していると思います。
トンデモない仮説でもいいから、せめてやる気だけは見せてほしかった。
ここの説得力がないと、もう全部ダメ!とも思えてきます。

Orange10
まあ、夕陽がキレイだったから、いいか…。

描かれるのは健全な青春ばかりでした。
好きなシーンもあるにはあったんですが、全体的な印象はかなり悪いです。先に待っているのが”好きな人の死”なので、一貫して哀しげな雰囲気なのも、だいぶキツかった…。
【哀しげミュージック】がほぼ全編に渡って多用されており、副音声で「かわいそうでしょ?」と聞こえてくるようでした。
かわいそうですけど、クドすぎて…。
泣きシーンも多かったです。
これは、どれも中途半端な感じがしました。
あと、この内容で140分はさすがに長すぎ!
涙を削れば2時間で収まったはず。

ということで、嫌いじゃないけど微妙な映画でしたよ。

Orange12
『桐島~』からの刺客も出てました!

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『25 NIJYU-GO』感想。(R15+)

東映Vシネマ25周年記念作品ということで、思いっきりVシネマでした!とにかく痛快!エロ!バイオレンス!大爆発!!
登場人物ほぼ全員死亡。

個人的評価:★★★★★★★☆☆☆
Nijyu-Go
2014年11月01日公開/102分/日本/映倫:R15+
監督:鹿島勤
出演:哀川翔 寺島進 温水洋一 高岡早紀 竹中直人 石橋蓮司 大杉漣

<あらすじ>
西池袋警察署の悪徳刑事コンビ桜井慎太郎(哀川翔)と日影光一(寺島進)は押収した金の行方が問題となり、不明金の提出を命じられていた。困った二人は巨額年金横領事件の報道を知り、容疑者の九十九信夫(温水洋一)に目を付ける。九十九は横領した金の大半を使い込んでいたが、残金25億円を狙ってヤクザ、チャイナマフィア、腐敗した警察組織らがし烈な強奪戦を繰り広げていく。
(以上シネマトゥデイより)

Nijyu-Go2
日本よ、これがVシネだ!

キャッチコピーは「現金25億、悪党25人、誰が生き残る?」でした。金を巡った争奪ゲーム!ってことですが、思ってたより真面目な抗争でしたよ。
正直、「哀川翔は生き残って、あとは全員死んでくれ!」と思ってたのですが、ほぼそういう展開だったので気持ちがよかったです。25人もいたかな…?と、観終ってもあまり印象にない雑魚多数。

自分は90年代のVシネどっぷりというわけでもないんですが、観てると「あーVシネっぽい!」と激しく懐かしくなるシーンはたくさんありました。

Nijyu-Go6
小沢仁志・和義(実兄弟)はヤクザの兄弟役で出演。

いろいろ面白かったんですが、まずメンツが最高!
売れっ子アイドルが出演してるわけでもないですし、完全にVHSを見てた中年層向けの渋めのキャスティングだと思います。
若い人も一応出てますが、見せ場はほとんどオッサンばかり!
主演はVシネの帝王こと哀川翔。この人以外に成立しなかったと思いますよ。(竹内力がおかしな変顔俳優になったので)

Nijyu-Go9
(画像左は寺島進)

とりあえず、この悪徳刑事二人のバディ感がすごくイイ!
軽快なノリも楽しかったし、息が合ってる感じが伝わってきました。
そして温水洋一の扱い方(いじめかた)がとにかくうまい!
温水洋一が横領した金を巡って話が展開していくんですが、二人との出会い方がまず最高! よそ見運転中、ぬっくんにドカッと車を当てちゃうんですよね。
そして、たまたま読んでいた雑誌に載っていた横領犯の顔とフロントガラスに張りついてるハゲの顔が「あれ、同じじゃねーか、こいつ横領した犯人だ!」ということになり、「ラッキー! 金奪おうぜ!」という感じ(笑)。そのままフロントガラスにぬっくんを乗せてヤクザから逃走! すごい!

Nijyu-Go8
哀川翔「神は俺たちを見捨ててなかった…!」

やや強引なご都合主義っぽい流れなんですが、面白いので問題ないですよ!
というか、Vシネってこんなストーリー多いよなあ…と、しみじみ感じました。
【尻を撫でまわしつづけた男】こと温水洋一は一貫してコミカルな演技でひたすら挙動不審、気の弱い感じは『痴漢日記』のガム男っぽくもありました。
こいつが頼った相手が通いのクラブのオーナーである高岡早紀だったのですが、逃げるためにヤクザを紹介してもらったことでぬっくんは命の危機に…。
偶然にも哀川翔たちの車に連れ去られたことでなんとか助かったものの、それからは金に群がる人間たちに追われるハメになっていきます。

Nijyu-Go5

個人的に一番好きなキャラは、岩佐真悠子が演じるこの女。
セックスしてブチ殺されるためだけに出てきたような女性でしたよ!(半グレ集団に話を回すという重要な役割もあったけど)
『受難』(という狂った映画)で道路を裸で走ってた人ですが、今回も全裸。脱いでたのはこの人だけだったし、最も残酷(?)に殺されたのもこの人でした。
【過剰な性と暴力】こそVシネだ(と勝手に思っているので)、脱いで喘いで大量に血を流したこの女性は絶対に必要だったと思います。そのため激しく印象にも残りました!
いろんな死に方ありますが即死はやっぱり清々しい。
ということで今後も岩佐真悠子さんには期待したいです。
(ちなみにオッパイはあんまり見えませんでした)

Nijyu-Go4
ショットガンで撃ち抜かれた後頭部(わかりづらいですが)。

過激なスプラッター描写なんかはなかったように思います。
しかし、けっこうバタバタ人の死ぬ映画でした。
ほとんどの人が銃弾で死んでしまうんですけどね…。

印象に残った死にざまは以下の3つです。

Nijyu-Go10
額を撃ち抜かれても倒れずに座位で死亡する竹中直人。

Nijyu-Go11
お金大好き女・高岡早紀は25億と一緒にバズーカ砲で爆死。

Nijyu-Go12
階段でスッ転んだ嶋田久作は首吊り自殺のような事故死。

竹中直人は今回おもしろ演技を封印していて終始渋めな印象。
ガンガン撃たれてもまったくビビらず直立不動だったりして、銃弾を避けないのってやっぱりカッコイイ!と思いましたよ(初期のキタノ映画みたいだった)。
攻撃方法もリムジンからダイナマイトをポイポイ投げるというもので、そこも面白かったです。そして、ちゃんと日本語の上手なチャイニーズに見えました!
説得力のある演技だったし、死にざまはこの映画の中で一番好きです。高岡早紀も嶋田久作も、ちょっと厭味な役で…死ね!と思った瞬間にアッサリ死ぬし、爽快感もありました。
わりとみんなこれ見よがしじゃなくさらっと死ぬところが素敵でした。

Nijyu-Go7
ここってなんかのオマージュなのかなー。

中盤の銃撃戦で死亡した寺島進の死が哀川翔を復讐に駆り立てます。哀川翔といえば自分の中では復讐の鬼!
なので、この辺からテンション上がりました!
ラストの全面戦争はヤクザ・半グレ集団・チャイナマフィアが廃墟に大集合!
それぞれが現れるタイミングもちょっと面白かったです、セリフを合図に突入!
集合場所が廃墟ってのもなんとなく懐かしい!
まあ、とにかく派手にいろんなもん爆発させてバンバン撃ちまくってるので、ここでの戦いは楽しかったです。
結局、翔さんは最後に復讐を果たすのですが…守りたかった人物を目の前で撃ち殺されてしまう! ここがすごくイイ!
予定調和じゃない部分もちゃんとあります。
新世代のVシネ俳優(ってほど本数ないけど)波岡一喜もがんばってましたよ!

Nijyu-Go13
最後は大杉漣にヤキ入れて終わり。熱帯魚は不穏なイメージ。

そんな感じでツッコミどころも少なくないんですが、好きな映画です。
なんだか90年代っぽくて楽しかったですよ。
菅田俊と工藤俊作は死ぬためだけに出てきたし、石橋蓮司はまたいつもと同じような偉そうな役で…首元を刺されて死んでました。
本当にみんな死ぬなあ…と感心しました!
あと、ラストシーンで哀川翔が言う「やめねえよ」って台詞が印象に残ってます。
話の流れ上「警察やめねえよ」なんですが「Vシネやめねえよ」なのかなー、と思ったり…。

難波さんのエンディング曲は超ダサいと思った!(ただの好みです)

Nijyu-Go3
「狂い咲き」風な殺し屋の正体がハゲデブ芸人で残念…。
 

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『ソレダケ/that's it』感想。

中学生魂が炸裂してしまった!みたいな怪作でした。
簡単に説明すると、染谷将太が綾野剛を殺しにいく話。

個人的評価:★★★★★★★☆☆☆
soredake
2015年5月27日公開/110分/日本/映倫:G
監督:石井岳龍
出演:染谷将太 水野絵梨奈 渋川清彦 村上淳 綾野剛

<あらすじ>
大黒砂真男(染谷将太)は戸籍を奪われたために、いつまでもどん底の生活から抜け出せずにいた。何とかして日の当たる場所に脱出しようと考えた彼は、裏社会の調達係として知られる恵比寿大吉(渋川清彦)が使っているコインロッカーから財布を強奪する。そこには個人情報が詰まったハードディスクが入っており……。
(以上シネマトゥデイより)

soredake2

【本作の見どころ】
1.冒頭の追いかけっこ。
2.まったく痛そうじゃない拷問シーン。
3.戦闘前の念入りなオモシロ下準備。
4.ヘンテコリンな殺戮パーティー(ここクライマックス)。
5.生前の吉村秀樹(bloodthirsty butchers)が拝める。

soredake11
これが石井岳龍だ!!

主人公はクズ親父に戸籍を売られちゃった染谷将太。
戸籍がないってことは世界に存在してないも同じ。
おれは生き返るため、戸籍を取り戻すぜ!!
I live, I die, I live again!!…っていう話(と勝手に解釈)。

とにかく「おれはこういうのがやりたいんだよ!」的な熱量が凄まじかった。
なので、ダサいとかカッコワルイとかダメな部分込みで面白かったです。ハッキリ言って『生きてるものはいないのか』とか『シャニダールの花』なんかに比べたら、ものすごく好き。
石井岳龍監督の最高傑作だと思います(石井聰亙作品は含まない)。コンセプトは音楽と映画の融合ということらしく、ギャンギャン鳴り響くブッチャーズが気持ちよすぎました。

soredake3

とりあえずキャラクターの名前すごすぎ。
こういうところに石井聰亙を感じます。

大黒砂真男(染谷将太)
南無阿弥(水野絵梨奈)
恵比寿大吉(渋川清彦)
猪神楽彦(村上淳)
千手完(綾野剛)


soredake7

物語は染谷将太がコインロッカーの財布を盗み出すところから始まります。
そこへ都合よく現われる渋川清彦。
「おれの財布返せ!」ってことでチェイスが始まり、二人とも全力疾走! 追うものと追われるものを交互に撮りつつ、ひたすら追いかけっこ。
途中スプリット・スクリーンなんかを挟みながらカメラはぐらんぐらん揺れて、勢いと疾走感が凄かったです!
ここのシーンは3分くらいあるんですけど、ほぼブッチャーズのPV状態。音楽ガンガンでカッコイイ!!しかし、尺長いな、と。

この盗んだ財布に重要な戸籍情報の詰まったディスクが入っていたため、染谷将太は謎の二人組に拉致されて拷問されるハメに…。

akunokyoten
画像は『悪の教典』より

ちなみに、ヒロインは『悪の教典』で伊藤英明にパンツを脱がされた後屋上からポイッと落とされて、死んだけどラストで蘇えってた(?)水野絵梨奈さんです。

soredake4
絶対ダースベーダー意識してたと思うんだよなー。

盗んだもん返せよ。
ありか言えよ。
じゃないと拷問するぞ。

…と正論っぽく拷問開始。

soredake5
まず、染谷将太の右手が万力でグチャア!

soredake6
そして、水野絵梨奈の爪にナイフがグッサリ!
(ここも画面二分割)

こういう描写があるだけでも個人的には大変嬉しいんですが、うーん、でも、ここのシーンはショボかったです。
ちっとも痛そうじゃないし、恐くもないし…。
万力っていう凶器は『カジノ』みたいでちょっとイイんですけど!!
でも、手を挟んでるだけなんですよね。
骨が折れてるような効果音もあるんですが、痛みは伝わってこなかった。
爪も、剥がしてる感じはなかったです。
指の上に乗っかってるものを持ちあげてるだけに見えました。

soredake12

…というような不満もあったのですが、ラストで全部解消!
敵のアジトに乗りこんでからが面白すぎました!
綾野剛を殺しに行くんですけど、もうなにからなにまで最高!
ゲーム感覚でバンバン人が死んでいきます!
全員銃殺!
ラスボスの部屋までの廊下を柱から飛び出てくるザコを殺りながら進みます!
染谷&水野の二人が明らかに乗り物で移動していたりして、本当にすごい…。
腕がもげたり頭が弾けたりっていう人体破壊の描写は絵で表現!なんなんだこの映画!すげえ!バカだ!感動!

soredake8
もちろん生首も飛んでましたよ!

アジトのそばの茂みで戦闘準備を始めるんですけど、ここも大好きでした。
体中に泥を塗りつけて、銃を手に固定して…。
「殺すぞ!がんばって殺すぞ!ぜったい殺るんだ!」って感じですね!
俯瞰撮影での雄叫びにライオンの鳴き声(?)アテてたりして、もう爆笑。

そして、渋川清彦とムラジュンの二人と合流し、四人で綾野剛の部屋へ。

soredake13
いろいろあって最後は水野絵梨奈を人質に取られ四つどもえ(?)状態に。

soredake14
勝負は一瞬! タランティーノみたいだ!!!!!!

soredake15
全員死亡(してないけど)。綾野剛すごすぎ。

…ということで、めちゃくちゃ面白い映画でした!
大好きですよ!!!!(主に銃撃戦が)
それからこの後、綾野剛はちゃんと死にます!
こういうの(人死に)が好きな人にはオススメです!
思ってた以上にB級アクション満載だったのでビックリしましたー。

本音をハッキリ書くと、途中までは強烈に退屈だったんですけどね☆

soredake9

オープニングのシーンは黒バックに声のみで、

「お前は死んでいる…」

「おれはァ、まだァ、死んでないぃいッ!」

というもの。

吉村秀樹は死んだけど、音楽は死んでないぜ!ってことなのかな。

soredake10
この眼が超好き。

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やっぱり石井聰亙といえばこれだ!!!!!

『ヒロイン失格』感想。

すごく嫌いな映画でしたー。
ただの好みを書いてます。原作未読。

個人的評価:★★☆☆☆☆☆☆☆☆
hiroinshikkaku
2015年9月19日公開/112分/日本/映倫:G
監督:英勉
出演:桐谷美玲 山崎賢人 坂口健太郎 我妻三輪子 福田彩乃 竹内力

<あらすじ>
幼なじみの寺坂利太(山崎賢人)のことが好きで、自分は彼にとってのヒロインだと信じて疑わない松崎はとり(桐谷美玲)。しかし、クラスの中でも最もイケていない女子・安達未帆が彼に告白して付き合うことになってしまう。激しいショックを受けて落ち込むものの、略奪愛もいとわない勢いで利太へ猛アタックをするはとり。そんな中、容姿端麗で成績優秀、さらにスポーツ万能という、学校で女子からの一番人気を誇る弘光廣祐(坂口健太郎)に興味を持たれ、思いも寄らなかった三角関係が始まってしまう。
(以上シネマトゥデイより)

hiroinshikkaku2
桐谷美玲の変顔映画でしたよ。

いきなりですが、感情表現がね…とにかく大味!
映画が面白いかどうか以前に、主人公が嫌いすぎました。
自信過剰なバカ女(という設定)なんですが、これが本当にウザい。
外面とか容姿などを帳消しにするレベルで鬱陶しい奴でした。
動いて喋ってそこにいるだけで苛々したしマジでぶん殴りたくなりましたよ。
ここ数年間で見た恋愛邦画の中でも個人的にはワースト級のクソ女でした。

ちゃんと最後まで観ましたけど…。
話し方の不愉快感が半端なかったです。

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「へろいんわぁ、あ・だ・じ・などにぃぃいいいい」

ラブコメなんですが、前半はコメディ色強めです。
この笑いの部分が、全部顔芸!または出オチなんですよね。
単にオーバーアクトと一発ネタでなんとなく雰囲気を盛り上げてるだけです。
状況説明をする実況アナが突然出てきたり、竹内力が突然壁を走ったり…。
柳沢慎吾登場のシーンとか気が狂ってるとしか思えない。
こんな安易っぽい思いつきギャグで笑えません!
桐谷美玲が顔を崩壊させているシーンがきっと見どころでもあるんです。
まさに『ヒロイン失格』なんですが、ずっとバカな顔芸してるんですよね。
ここが「カワイイ!」と思えれば超最高なんだと思いますけど…。
正直ムカつくだけだったし、ホントに嫌いになりました。
普通にしてればカワイイと思いますよ。
けど「ぬわあああああ」とか叫びながら走ってると蹴り飛ばしたくなります。

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主人公・松崎はとりが自分を物語のヒロインに見立てるってだけの話です。
周りの人間は、ヒーロー、脇役、通行人、エキストラと決めつけていきます。
どうしようもなく脳内お花畑で、自己中心的な話です。
それでもいいんですけど、そこに自覚が薄いから腹も立ちます。
これが何か面白さに繋がるのかっていうと、それもあんまり感じられず。
序盤はたびたびカメラ目線で話しかけてきたり、文字が空中に浮かんでいるようなコミカルな表現もありましたけど、ヒロイン設定の意味を感じたのは最初と最後の部分だけ。そこ以外は、ものすごくありきたりな恋愛映画。
新鮮味も何もありませんでした。
ベタベタな、よくある三角関係の話です。
ラストのオチのつけ方も最低でしたよ。
「みんなみんな世界でたったひとりのヒロインなんだから♪」
…とかいう少しも面白くないもの。

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ヤリマン役の高橋MJさん。この人脱がないかな。

そして登場人物はリア充オンリー。
非リアだった我妻三輪子も急にモテるという展開(なんで?)。

リタ役の山崎賢人もよく分かんなかったです。
セリフでも言っちゃってますけど、この人所謂「空っぽ」キャラなんですよ。
行動の動機がちょっとフワフワしてます。
なんとなくで、何も考えず動いてる印象が強かったです。
東出昌大とちょっと近いイメージでした。
「ぼくよくわかんないよ」的な態度だからハッキリしないんですよねー。
序盤で不良に睨みをきかせるシーンがあるのですが、覇気がないから…童貞が強がってるようにしか見えない。

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『世界の中心で、愛をさけぶ』のオマージュなんだけど……なにこれ。

正直観る前から自分の好みではないことくらい分かってましたよ!
じゃあ観るな!って話なので一応観た理由も書いておきますね。
我妻三輪子と坂口健太郎だけはちょっと好きなんです。
なので、観ておこうかなと…。マジでそんだけです(という口実)。
期待値は限りなく低めで観ました(血が出たら10兆点くらいの感覚)。
全体的に本当につまらなかったです…そんなことよりムカつき度がかなり高めだったので、こんな感じの感想になってます。

誰かが泣くシーン:計5回

hiroinshikkaku8
血の出ない残酷描写もあるにはありました。これ『300』なんでしょうか。

坂口健太郎は今回も無難にイケメンでしたー。
なんかヘラヘラしてて、好きですね。
完全に顔も売れたので、そろそろ殺人鬼とかガチホモの役をやってほしい。

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『恋に至る病』の我妻三輪子がめちゃくちゃ可愛くて大好きだったんですけど、今回は学校で一番イケてない女子(六角精児似)という役でした。
見た感じ、ちゃんとブスなんですよね。
絶妙にモテなそうな雰囲気でした。
体型も、こんなに寸胴だったっけ…という感じ(役作り?)。
そこのギャップでの興奮は、とくになかったです。

とにかく、彼女は桐谷美玲をナイフで刺し殺してくれたので、きっちり期待に応えてくれた感がありました!
「ヒロイン気取りのゴミムシが!」とかいう捨て台詞も、とても良かったです。
結局は死ななかったし、(マジで最低な)主人公の妄想だったんだけど。

koiniitaruyamai
ちなみに『恋に至る病』は男女の性器が入れ替わる超素晴らしい話でしたよ。

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助演は染谷将太と佐津川愛美の黄金ペアでした!
オススメなのでリンク貼っておきますね。

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