邦画しか観ません。

日本映画の感想文。基本的に原作未読で在宅鑑賞。ネタバレしてます!

2016年09月

『黒い暴動』感想。

明日世界が滅びるかもしれんけんから好きな服着て好きなことくらいさせや!
華先輩サイコー。
個人的評価:★★★★★★★★☆☆
kuroibodo
2016年07月30日公開/75分/日本/映倫:G
監督・脚本・編集・原案:宇賀那健一
出演:馬場ふみか 柳英里紗 平松可奈子 今井華 間宮祥太朗 山本浩司

<あらすじ>
東京でスタイリストのアシスタントをしているアラサー女子の美羽(馬場ふみか)は、仕事も恋愛もぱっとしない日々を送っていた。そんな折、かつて一緒にパラパラダンスに熱中したギャル友あおい(平松可奈子)が訪ねてきたことで、ガングロギャルに目覚め青春を謳歌(おうか)した12年前の高校時代に思いをはせる。それを機に、タイムカプセルを掘り起こすため石川県の内灘町に帰郷し……。
(以上シネマトゥデイより)

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タイトルのインパクトに惹かれてしまい軽い気持ちで観てきました。
何気に爆音っぽい音響だったためBGMでセリフが聞き取れないシーンも何度かあり…ということで、いつも通りあんまり参考にならない感想だと思います。うん、でも、面白かったっていうか、大好きですね。胸が熱くなりました。
あと主役の子が可愛かったので、そこもよかった。

田舎のガングロギャルたちが一生懸命パラパラを踊る映画です。
(予告動画は一番下に貼ってあります)

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現在と過去を行ったり来たりの構成で、この対比にメリハリがあるので、そこが最も巧い点なのかなと思います。この行き来するタイミングがけっこう自然だし、序盤からアツいストーリーにグイグイ引き込まれていきました。

冒頭は高校生時代の主人公が愚痴を吐きまくるシーンから始まり、タイトルが画面いっぱいに出て、そのすぐ後に「14年後…」のクレジット。そこで現在、つまり2016年の主人公に切り替わります。主人公は過去にクソみたいな日常から脱出したはずなのに、時が経つとまた退屈でツマラナイ日々に埋没してしまっているのです。

最初は、あの頃は良かったなあ…って感じの懐古映画かとも思ったんですが、全然そんなことなくて、あくまでも主役は現在アラサーになった2016年のみゅうみゅうで、今を生きる彼女が一歩踏み出すまでの物語だと思います。

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主人公は授業中ノートに「クソ、クソ、クソ、クソ」と書きつけて、退屈すぎるクソな日常にうんざりしている女子高生みゅうみゅう。
彼女はある日、超かっこいいガングロギャルに出会ってしまい、それがきっかけでギャルの世界に足を踏み入れていくのです…。

退屈すぎて頭おかしくなりそうな感覚はガンガン伝わってきましたよ!
(田舎の若者が刺激を求めて超がんばる…みたいな話って好きなんです)
日常がイヤになって気が狂いそうになる時期って学生時代は誰にでもありますよね、きっと。ぼくはありました。そういう経験がない人には意味わからない部分かもしれません。

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憧れのガングロギャルは今井華先輩でした。彼女はカリスマオーラを放出することに成功していたと思います。ホントに輝いて見えたし、演出として実際にキラキラ輝かせていた気もします。登場シーンは主人公と同じように「この人やっべえぇぇ」と思ったし、面白かったです。

教師「バカみたいなガングロしてんじゃないよ」(みたいなことを言う)
今井「明日世界が滅びるかもしれんけんから好きな服着て好きなことくらいさせや!…外野なんて、空気やし」→窓から飛び降りて逃亡。無傷。
主人公、ときめきに死す。そしてテンション上がって誰かのギターを破壊!


つまり華先輩は、周りにどう思われようがどうでもいいのです。そんな彼女を目撃してしまい主人公は一目惚れ。翌日からは仲間と共にガングロギャルへと変身していきます。実際かっこいいし憧れちゃう気持ちもわかります!

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このあたりはテンポもよくて楽しかったです。
みんなでガングロメイクに初挑戦。そして「すごい!かわいい!」とお互いを褒めたたえ合い、先輩集団のたまり場【牛小屋】へと向かいます。難なく黒いパラパラ集団【ブラックハマナス】に加わった彼女たちは、金沢ロックフェスティバルでダンスを披露するため猛特訓を開始。授業中だって机の下ではダンスのステップを踏む熱血ぶり。部活に燃える青春映画の王道っぽい演出もけっこう多かったと思います。ベタですが気持ちは上がりますね、こういうの。

ギャルメイクを周囲に罵られても「カワイイから」やめないし、パラパラダンスは「やりたいから」やるだけ。好きなことを何故やるのかなんてことに理由はない、という当り前のことを言っていて、ド直球な発言には納得だし好感も持てました。もう大好きですよ。わりと序盤からずっと大好きでしたよ。

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一方、現在はというと…。

高校時代は「クソ、クソ、クソ、クソ」な日常から抜け出してガングロで派手派手しいギャルへと変身したものの、14年後の現在では再びツマラナイ人間になってしまっている主人公。ガングロへの興味は失っており、美白に必死。29歳で経験豊富なアシスタントだが上司には大きな仕事を任せてもらえず、愚痴っぽいことを言った挙句クビにされてしまう。付き合っている男は妻帯者で、体だけの関係。そんな時、ギャル時代の友人が部屋を訪ねて来て、昔海辺に埋めた賞金のことを思い出し、金欲しさに石川県の地元に戻るのです。

親友に再会すると、一人は地元で同級生と結婚し子持ちの主婦となり、もう一人は生活苦のため風俗嬢となっていました。そして主人公は、人目ばかり気にして生きている…。「外野なんて空気」とは思えなくなっているのです。

「あの頃はよかった!」なんてセリフがなくてよかったです。
惨敗感が凄まじいんですよねー、2016年のみゅうみゅうは。

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そして、彼女が人生で最も輝いていたかもしれない金沢ロックフェス。

映画全体で一番の見せ場となるダンスシーンですが、わりと中盤でした。
地元のちっちゃい祭りに参加します。それまでに今井華先輩が脱退(世界一周のため)、パラパラダンス対決の結果みゅうみゅうが新リーダーに決定、親友の一人(風俗嬢のほう)が白ギャルをぶちのめして停学、特訓、猛特訓など、いろんなことがありながら、みんな一生懸命パラパラを練習してついにやってきた本番当日。

なんとなく『ピッチ・パーフェクト』が頭に浮かんでしまったんですが、本作はあれより圧倒的にチープだし、さらに小規模な現場だし…しかしステージに全力で挑むガングロ少女たち!ということで、涙腺にきました…。
そして世間から浮いていたガングロ集団が「ちょっとかっこいいかも」と外野に思わせてしまうので、なんかね、すげー感動しましたよ。
なんなんですかね…とにかく無敵っぽいんですよ。「恐いもんなし!なんでもやってやるっちゃけんね!」という感じ(方言テキトー)。なんだってやれる!という感じがビンビンに伝わってきて、それと同時に2016年を生きる主人公の虚しさなんかも感じてしまいました。
『ゴーストバスターズ』を観た時も思ったんですけど、世間から蔑まれてきたやつらが頑張って見返す話に弱いですわ…。願望なのかなー。

ステージに立つまでには間宮祥太朗の活躍なんかもありました。

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『ライチ☆光クラブ』のジャイボ(ホモで、圧死した人)こと間宮祥太朗ですが、本作では暑苦しく叫んだり、ギターを弾いたり、自転車を漕いだり、プレゼントをあげたり、窓から忍びこんだり、バンドでプロを目指したり、一旦就職してみたり、でもやっぱり夢を追いかけたり、あっけなくラジオに出演しちゃったり、ギャルへの感謝を述べたり、なんかいろいろ好きでしたが、そんなには印象に残ってません。でも出てて良かったです…。(すいません)

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脇にぞろぞろいるガングロギャルたちの存在感はスゴかったです。
もういききってるっていうか、「外野なんて、空気」と本気で思っていそうな顔面力がありました。BLACK DIAMONDという集団名らしいのですが、気合いの入り方が違うというか、存在の異質感がものすごくイイ感じでした。説得力が半端なかったですね。

文句でもなんでもないですが、「もうちょっとこうだったらよかったのに」と思うところは、メインの三人はギャルメイクがキレイすぎるところですね!
もうちょっとゴリゴリに塗りたくっても良かったんじゃないでしょうか。とくに主役の馬場ふみかさんなんかフツーに可愛すぎます!
「外野なんて、空気」のわりには世間一般に全然ウケちゃいそうな超ライトなギャルメイクに見えました。やっぱりここはドン引きするくらいのバケモノっぽさがないとダメだったんじゃないかな…と思いました。可愛いのは2016年の主人公だけで良かったですよ…。

うーん…個人的にはもっと汚してほしかった!

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本物のギャル13人を石川県まで連れて行き撮影したそうです。

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ぼく自身は(当り前ですが)ギャルの経験もないですし、ダンスも踊ったことないですよ。それでも共感しまくっちゃうのは、あの頃は楽しかったなあと思えて、なおかつ見た目なんか気にせず好きなことに夢中になれたと思える過去があるからです…まあ誰しもそういう時期はあるものだと思います。ガングロギャルだから突飛なことにも見えますが、日常に不満を持ってそれを変えようと努力するなんておそらく誰しもがやることです。とくに学生時代ならばなおさらで、そこを単なるノスタルジーで終わらせず結末を未来へと向かう今へと着地させたところがすごくよかった。なんといってもラストカットの切り方が本当にサイコーで、ほんの少しだけ前向きになってからのみゅうみゅうの表情が、これは嬉しくもなり、泣きそうにもなり、とにかく応援したい気持ちになれたんですよね。そして自分も今を頑張ろう、と。

最も印象に残ったシーンは、終盤女子三人が長々と思いの内を吐露し続けるところです。彼女たちの会話のバックには延々と金沢の町並みや海辺の風景が映し出され、行ったこともない見知らぬ町が懐かしくてしょうがなかったです。自分の今を悔やみ、過去を懐かしみ、昔の友人のことなど思うと泣きそうにもなりました。他にも好きなシーンはいくつかありましたが、個人的にはここが断トツにグッときましたね。

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踏まれたい。

どうでもいいんですが、主演の馬場ふみかさんを知らなかったので彼女の女優デビュー作『パズル』(容赦のない暴力映画)を見返したところ、実の父親に犯され処女を奪われて血を流す女子高生役で出演していました。「ああああ、この子だったのか!」と嬉しくなりました。本当にどうでもいいですが。

シバタ(間宮祥太朗)が一旦就職して再びバンドでラジオ出演できるほど成功しちゃっていたり、14年前だだっ広い海辺に埋めた缶々が難なく出てきたりと、多少ご都合主義っぽい展開もないではないですが、そこが気にならないくらいに素敵な話で、そしていい終わり方だと思いました。
正直もっと観たかった。75分って…短いよ!

女子高生が主役の邦画はけっこう観てるつもりなんですが、近作では群を抜いて面白かったし、共感も大きかったのでこんな感じの感想になりました。


↑予告はこんな感じ!

『オーバー・フェンス』感想。

孤高の作家・佐藤泰志原作函館三部作がついに最終章。
『海炭市叙景』『そこのみにて光輝く』そして本作にて、完結。
個人的評価:★★★★★★☆☆☆☆
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2016年09月17日公開/112分/日本/映倫:G
監督:山下敦弘
原作:佐藤泰志
出演:オダギリジョー 蒼井優 松田翔太 北村有起哉 満島真之介 優香

<あらすじ>
これまで好きなように生きて来た白岩(オダギリジョー)は妻にも見放され、東京から生まれ故郷の函館に舞い戻る。彼は実家に顔を見せることもなく、職業訓練校に通学しながら失業保険で生活していた。ただ漫然と毎日を過ごしてしていた白岩は、仲間の代島(松田翔太)の誘いで入ったキャバクラで変わり者のホステス聡(蒼井優)と出会い……。
(以上シネマトゥデイより)

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先行上映で観てきました。めずらしく原作既読。

正直すごく楽しみにしていた作品なんですが、観終わってから若干消化不良感が残ってしまいました。
全体に漂うユルい空気感があんまり好きになれず、期待していたものとは違いフツーの日本映画でした。そして主演の二人が「うーん」という感じ。演技に対しては文句ないんですが、キャラクターがちょっと微妙だなあ…と。

無職とヤリマンのくせに(すいません)恋の描き方が美しすぎるんですよね!今回そこはダメ、というか自分にはハマりませんでした。劇的な不幸よりも、もっと普遍性のある「どこにでもいる人」にしたかった(?)らしく、それこそ佐藤泰志っぽくもありますが、原作へのリスペクトから空気感を忠実に映像化した結果、寄せすぎて本来の山下節があまり感じられなかった気もします。
『海炭市叙景』『そこのみにて光輝く』の影響も大きかったのでしょうか…。

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家庭をかえりみなかった男・白岩は、妻に見限られ、東京から故郷の函館に戻りつつも実家には顔を出さず、職業訓練校に通いながら失業保険で暮らしており、訓練校とアパートの往復、2本の缶ビールとコンビニ弁当の惰性の日々。なんの楽しみもなく、ただ働いて死ぬだけ、そう思っていた。

こういう生活にはメチャクチャ共感します。たぶん共感する人は多い設定だと思います。が、白岩がちょっとかっこよすぎます…。
オダギリジョーは好きですけど、ちょっとイケメンすぎてこのキャスティングはどうなんだ…という気分にもなりました。たまたま知り合った若い女といきずりのセックスできちゃうとか、なんかね…のれませんでしたよ。羨ましいとかそういう感じでもないし、過去に傷があり諦観めいたものは常に漂っているのですが、「絶望」を描くにしては日常が希望に満ちすぎてるような気もしました。その不幸の程度が中途半端というか、ハッキリしない感じがして、序盤から少し引いた目で見てしまいました。

やりたいけどやれなくてどうしようもなく一人で酒喰らって管巻いてゲロ吐いてオナニーして泣くみたいな、そういう男がよかったですよ、どうせなら。
まあ、極端ですけど。
個人的にはもうすこしダメ人間であってほしかった。というのも、相手のヒロインが突飛な存在なので主人公が沈んで見えてしまうんですよね。影が薄いというか、印象が弱くなるというか…。

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ヒロインの聡(さとし)を演じるのは蒼井優。
もう、情緒不安定すぎて…まったくついていけませんでしたよ!
可愛いけど、愛着は湧きません。
【鳥ダンス】もね、素敵!とはならず、頭オカシイ!怖ッ!って感じでした。
彼女の弱さや愛おしくなる部分を知る前に、登場がクレイジーすぎた気がします。なので、気持ちはいきなり引きました。

生きる意味を失っていた白岩は、彼女と出会ったことで変わっていきます。『オーバー・フェンス』とは、今いる場所から飛び立って新たな自分になる!といった意味だそうです。ちなみに、鳥ダンスは原作の『オーバー・フェンス』には無いオリジナルシーンであり、同じ小説家・佐藤泰志の『黄金の服』からの実写化。

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初対面は、路上で聡が激しく踊っているところを偶然に目撃してしまうシーンでした。そして呆然としてしながらも彼女の魅力に惹かれてしまい、訓練所の仲間・松田翔太に誘われてキャバクラへ行ったところ彼女と再会するのです。その後二人は恋に落ちていき…というストーリー。

どうでもいいけど「ヤリマン」って本当に厭な言葉ですね。
松田翔太はちょっとイヤらしくてゲスいイケメン役がハマってましたよ。

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やがて二人は親密な関係へとなっていき、濡れ場!
オダギリジョーも蒼井優も二人とも全裸で頑張っていました!
何度も体を拭う彼女は艶っぽくもありました!

しかし、なんかしつこく背中ばっかり撮ってましたね。オッパイは多少見せながら乳首はギリギリ見せないって感じの撮り方で、こういうシーンにはあまり期待してないし見せないからって怒りもないですが、やっぱりいらつきます。二人が愛しあっていることは伝わってきましたが、どうしようもなくフツー。ここは、おもしろくない。
映画なんだから素直に揉みしだかれればいいのに。

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個人的に一番楽しかったのは訓練校の仲間たちとかですね。
受講内容は大工になるための技術を学ぶというもの。前職も年齢もさまざまな人々が集まっており、キャラ立ちも抜群で、皆イイ感じでした。
とくに森君なんですけど!

森役の満島真之介が、もう本当にサイコー。ものすごく魅力的で、最も興味をそそられる人物でした。彼は大学を中退してしまった若者です。なんとなく周りの人間を見下しており、しかし訓練校の連中にはなめられまくっています。ひとりぼっちで友達もできず、教官にぐちぐちと罵られる光景は羞恥プレイのようでした。そんな状況にとうとうブチ切れてしまう森君…。

映画全体で一番共感できたのは彼でした。
(もう自分を見ているようで、悲しくもなりました…。)

そんな仕打ちに耐えきれず、ノミを手に取り暴れるのですが、あっけなく取り押さえられ、結局最後は逃げ出すように訓練校を辞めてしまう…。
せめて松澤匠をひと突きしてほしかった。『恋の渦』でブレイクした松澤匠が今回もニタニタ顔で超ムカつくキャラクターなんですよ!
前作『味園ユニバース』ではボコボコにされて血まみれになって気分爽快でしたが、今回は無傷。どうにか刺されてほしかった…。残念。

本作での暴力描写は皆無でした、流血もなし。(テンション下がるわ)

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満島真之介は役作りのため一ヶ月間横にならず、椅子に座って眠っていたそうです。そして、風呂にも入らなかったと…。
それを知って俄然好きになりました。もっと彼を見たかった、主人公たちよりも森君を見たかった!
気が触れたような佇まいから内面に潜む狂気はしっかり伝わってきましたし、主役だったらよかったなあと強く感じてしまいました。出演量もそこまで多くないんですよね。ここに興味がいきすぎて、オダギリジョーとか途中どうでもよくなりましたよ正直。森君のほうが断然気になる存在だったから。

むしろ彼に『オーバー・フェンス』してほしかった。
過去の傷より、いまの傷が見たい。

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このオジサンもいい味出てました! 本職はミュージシャンの(知らない)人!

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東京にいた頃、白岩の元妻(優香)は育児ノイローゼになってしまい、疲れ果てた彼女は頭が狂ってしまった。そしてある時、赤ん坊の顔面に枕を押しつけ殺そうとしてしまい、この事件を機にしばらくして離婚が成立。それが主人公の心の傷となったのです…。

彼にとっての重大なトラウマを義父の塚本晋也は「これしきのこと」と言い捨てる。ここが最も残酷な場面だったかもしれません。(そりゃ『野火』みたいの撮ってる人には「これしきのこと」かもしれませんが)

白岩は、どこにでもいる人だと思います。この映画に出てくる人たちは、みんながみんな、同じように傷や過去を背負いながら、何事もなかったように日常を生きている。白岩だけが特別なわけではないんです。決して珍しくはない。特別ではない人。ほとんどの人が彼のようになりうる。つまり、それは普遍的な人生であると思います。「こんなはずじゃなかったのに」と思っている人たちに向けた作品。人生うまくいってるとか、成功してるとか思う人にはピンとこない作品かもしれませんが、絶対そうじゃない人のほうが多いはず。

…ということで、過度に期待しすぎてしまったためか文句ばかりの感想になりましたが、よくできた映画だとは思います。「いい映画」だと思います。
うーん、でも美化しすぎな感もありました。現実はもっとクソ。

森君にはどうかフェンスを越えてほしい。

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塚本晋也監督の出演(声のみ)は、正直、全然気がつかなかったです。

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