邦画しか観ません。

日本映画の感想文。基本的に原作未読で在宅鑑賞。ネタバレしてます!

2016年11月

『聖の青春』感想。

将棋を知らない人の感想です。
個人的評価:★★★★★★★★☆☆ 80点
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2016年11月19日公開/124分/日本/映倫:G
監督:森義隆
脚本:向井康介
声の出演:松山ケンイチ、東出昌大、染谷将太、安田顕、柄本時生、鶴見辰吾、北見敏之、筒井道隆、竹下景子、リリー・フランキー

初日のレイトショーで観てきました。

あんまり期待せずに観に行ったら予想以上に楽しめました、面白かったです!一番デカいスクリーンはまだ『君の名は。』(早く終わってください)に取られていたのでちょっと小さいスクリーンで鑑賞。席は半分くらい埋まってました。苦手な余命モノでしたが、静かで熱い盤上の闘いは見応えがありました。主人公の”勝ちたいんじゃ感”が最高でしたよ。好きな映画です。原作未読。

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<あらすじ>
1994年、大阪。路上に倒れていたひとりの青年が、通りかかった男の手を借りて関西将棋会館の対局室に向かっていく――。
彼の名は村山聖[さとし](松山ケンイチ)。現在七段、“西の怪童”と呼ばれる新世代のプロ棋士だ。聖は幼少時より「ネフローゼ」という腎臓の難病を患っており、無理のきかない自らの重い身体と闘いながら、将棋界最高峰のタイトル「名人」を目指して快進撃を続けてきた。
そんな聖の前に立ちはだかったのは、将棋界に旋風を巻き起こしていた同世代の天才棋士・羽生善治(東出昌大)。すでに新名人となっていた羽生との初めての対局で、聖は必死に食らいついたものの、結局負かされてしまう。
「先生。僕、東京行きます」
どうしても羽生の側で将棋を指したいと思った聖は上京を希望し、相談を持ちかける。先生とは「冴えんなあ」が口癖の師匠・森信雄(リリー・フランキー)だ。聖は15歳の頃から森に弟子入りし、自分の存在を柔らかく受け入れてくれる師匠を親同然に慕っていた。
体調に問題を抱える聖の上京を家族や仲間は反対したが、将棋に人生の全てを懸けてきた聖を心底理解している森は、彼の背中を押した。
東京――。髪や爪は伸び放題、本やCDやゴミ袋で足の踏み場もなく散らかったアパートの部屋。酒を飲むと先輩連中にも食ってかかる聖に皆は呆れるが、同時にその強烈な個性と純粋さに魅了され、いつしか聖の周りには彼の情熱を支えてくれる仲間たちが集まっていた。
その頃、羽生善治が前人未到のタイトル七冠を達成する。
聖はさらに強く羽生を意識し、ライバルでありながら憧れの想いも抱く。そして一層将棋に没頭し、並み居る上位の先輩棋士たちを下して、いよいよ羽生を射程圏内に収めるようになる。
そんな折、聖の身体に癌が見つかった。「このまま将棋を指し続けると死ぬ」と医者は忠告。しかし聖は聞き入れず、将棋を指し続けると決意。もう少しで名人への夢に手が届くところまで来ながら、彼の命の期限は刻一刻と迫っていた…。
(以上公式HPより)

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29歳で夭折した実在の棋士、村山聖(さとし)の生きざまを描いた映画です。

病と闘いながら命を削って将棋を指し、「どう死ぬか、どう生きるか」に対峙した主人公・聖。彼が名人位を獲る夢を追いかけた最期の4年間を描いていました。余命を精一杯に生きる執念のようなものを感じました。「将棋で一番になるんじゃ!」って感じで熱量は凄まじかったです。生きるとは何なのかを考えさせられました…と書くと重々しくなりそうですが、そういう映画だったと思います。

全体的には静かな映画という印象が強いです。派手な演出もほとんどなく、画的にも地味だったと思います。しかし退屈さなどは感じさせず、説明的な無駄セリフを極力省いて無音で魅せるような演出は素晴らしかったと思います。ドキュメンタリーのような生々しい瞬間も何度かありました。主人公が死ぬまでを描いた所謂”余命モノ”なんですが、変に泣かせようともせずに、媚びてない感じが個人的には好きでした。

まず、最初のシーンから面白かったです。1994年、大阪。早朝、村山がゴミ置き場に転がっていて、それを見つけた作業服のおっちゃんが将棋会館まで連れて行ってあげるというもの。一般人が将棋を指す棋士たちを目の当たりにして、言葉も出ずに立ち尽くしてしまうというシーン。なんだか非現実的なものに出会ってしまったような演出が面白かったです。ここはセリフも少なめだしモノローグのようなナレーションもなし。最初のシーンで「あ、この映画好きかも…」と思えました。ゆったり流れる空気感も心地よかったです。

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村山聖は5歳でネフローゼ症候群になり、27歳で膀胱ガン発症、そして29歳で亡くなりました…。羽生との対戦成績は6勝8敗(うち1戦は不戦敗)。羽生との対局に敗れた5ヶ月後に亡くなったそうです。天才・羽生善治とほぼ互角に戦っていた棋士がいたんですね!

将棋についてはルールがなんとなく分かる程度の知識しかありません。原作も読んでいないので村山聖という人物のことは本作で初めて知りました…。羽生名人は顔と名前くらいしか知りませんでした!・・・ということで、ほぼ何も知らない状態だったんですが、ちゃんと楽しめましたよ。(将棋に詳しかったらもっと楽しめたのかも)

手術をしなければ余命はたった3ヶ月!ということが中盤で明らかになるのですが、これに対しての主人公の返しがスゴい。一刻も早く手術して金玉を取らないとマズいという状況で「麻酔しますか? 麻酔は脳が鈍るんでイヤです」と言う村山。あくまでも優先順位は将棋が第一で、「将棋が指せないなら死ぬ!」という感じでした。並々ならぬ覚悟を感じました。そして「体調の良い日なんてないんだよ…」というセリフがネフローゼ症候群という病気の壮絶さを物語っていた気がします…。映画を観るまで知りませんでしたが、副作用で太るみたいですね。決して吉牛を食べ過ぎて太ったわけではないようです…。

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松山ケンイチはこの役のために体重を20kg以上も増やしていたそうです…。生前の村山聖の風貌を事前に知らなかったので似てるかどうかは鑑賞中とくに気になりませんでしたが、写真を見ると……あんまり似てない!!

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一番好きなシーンは、定食屋「よしのや(?)」での羽生さんとのサシ呑み。もうめちゃくちゃ好きですよ。映画全体で一番印象に残りました。ここのシーンは青春映画であり、そしてラブコメだったと思います。話の内容も胸にきました。穏やかで優しい名シーンだったと思います。

村山の趣味が少女漫画と麻雀と競馬なのに対して羽生さんの趣味はチェス。見た目も性格も好みの趣向もまったく噛み合わない二人なのですが、将棋に人生をかけているというただひとつの共通点で繋がっていたのだと思います。お互いに実力を認め合い、高みを目指していける存在だったのでしょう。村山にとって羽生さんは目標であり、ライバルであり、そしてこの映画においてはヒロインでもありました。羽生さんの「私は、あなたに負けて死ぬほど悔しい」というセリフはめっちゃグッときましたねー。演じていた東出昌大も上手だったと思います。言葉の一言一言に重みがありました。

ここに到着するまでの過程も面白かったです。背後から距離を置いてストーカーのように尾行する村山…しかし途中で気づかれてしまい羽生さんと目が合ってしまう。が、何も言えず会釈。どうにか行きつけの店で憧れの人と食事をすることとなるのだが…。

全体的には女っ気がほぼ皆無な映画ですが、なんとなく恋愛のようなBLっぽさも感じてしまいました。ニヤニヤしちゃいましたねー。「趣味が、全然合いませんね!」とか面白い、なぜかキュンとなりました。狙ってやってんだろうけど控えめな演出が超イイんですよ!あとね、「イタキス読んだことあります?」とか言葉に出して言っちゃうのも、気恥ずかしくて…なんともいえないものがありました。このシーン大好きです。

笑える瞬間も何度かありました。「ここは有名人でも店主が話しかけてこないから良いんです」と村山が得意気に店の良さを語った直後に店主が現われて、「羽生さんだよね?サインちょうだい」と声をかけてきたりして、場が静かで落ち着いているだけにちょっとしたことでもクスッと笑えるんですよねー。緩急のつけ方がとても上手だと思いました。なんとなく初デートのぎこちなさのようなものも描かれていたし、初対面の相手とのお見合いみたいでもありました。いやー男同士なのにドキドキした!サイコー!

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羽生さんの人間性が一番出ていたシーンだと思います。主人公とは対照的に”頭脳派の天才”という感じでカリスマ性も感じました。東出昌大の演技は羽生善治の喋り方や癖を研究しまくってこんな感じになったんでしょう。特別詳しいわけでもないので知っている範囲のイメージですが、特徴はよく捉えていたと思います。ただ、少しモノマネっぽさが気になってしまいました…。若干ドラマチックすぎるようなセリフの言葉選びはとくに不自然とも思わずリアルに感じられました。眼鏡は羽生善治さん本人から借りていたようですね。

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村山の趣味は少女漫画です。なので、自室は本とCDが雑多に積み上げられている素敵部屋。部屋の四方は棚になっており漫画本がぎゅうぎゅうに詰められていました。ほぼ天井近くまで本の山。万年床っぽい布団以外のスペースは物だらけで足の踏み場のない状態。棚の上にはAKIRAが全巻積んであったりしてなんとなく自分の部屋を見ているようで親近感も湧きましたー。時代設定は90年代のため、懐かしい本がいっぱいあって面白かったです。なんていうのか、ちゃんとクサそうなんですよね!

キャラクターの性格も破天荒で面白かったです。ハチャメチャだけど人間味に溢れており、人づきあいは不器用だけど周りの人間が放っておけない愛らしい人物だったのだと思います。爪は右手人差し指と中指以外は長く伸びっぱなし。髪もボサボサ、服装も気を使っている様子はなし。趣味は酒、麻雀、競馬、少女漫画。食への傾倒っぷりも凄まじく「シュークリームはユニオン、牛丼は吉野家、お好み焼きはみっちゃん、カツ丼は徳川」などのこだわりよう(グルメとかではない)。あと、酒。酒豪でもないのでしょうけど、呑みに行くとガブガブ飲んでしまう。重い病気で酒は体に良くないにも関わらず…。酒を呑む量だって他人には負けたくない。そんな感じで極度の負けず嫌いで不摂生。なので、食生活が死期を早めたような気がしないでもないですね…。

聖「牛丼は絶対に吉野家じゃないとダメ!」

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主人公の夢はふたつあって、ひとつは「素敵な恋愛をして結婚をすること」。もうひとつは「羽生さんに勝って名人になること」。羽生さんとのサシ呑みで主人公の夢が明かされるのですが、僕はここで泣きました。映画の中のキャラクターたちが流す涙と同じくらいの分量泣きました(ごく少量)。

女を知らずに生きてきた29年間の童貞人生。少女漫画を読んでいたのも、恋愛への憧れのためだったのかもしれません。しかし膀胱ガンのために睾丸を切除することとなり、手術をした結果一生子供をつくれない体になってしまう村山…。すごく切ない気持ちになりました。

行き着けの古書店の女性に好意を寄せるものの、結局は最後まで気持ちを伝えられずに別れてしまいます。実際どうだったのか分かりませんけど、絶対あの子のことが好きだったと思うんですよねー。しかし告白できず、ほとんど言葉を交わすこともできません。レジで漫画を渡すところも、女性を直視できない立ち居振る舞いも、すごく共感してしまいました。受け皿に漫画を投げ出す感じがね、ひたすら恥ずかしそうでモジモジしたいんだけど我慢しているあの感じが、もうねー、いやー、好きでした!(意味わからないと思います、すいません)

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愛読書として登場する「イタズラなKiss」に何か意味があるのか気になりましたが、ちょうど実写映画の公開も控えているし、鑑賞中は「もしかして宣伝なのかな?」くらいにしか思ってませんでした。観終わってから知ったのですが、作者である多田かおるは連載中(1999年)に事故で亡くなってしまい漫画は途中で終わってしまったんだとか…。なんとなく村山の境遇とシンクロするものがありました。そういったことを意識してのチョイスだったのか、原作との改変点なども気になりますね。

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そしてラストは羽生との対局です。

両者の気迫が音と表情のみで伝わってきました。部屋全体に緊張感が漂っているようでした。脳内でのセリフも排除していて二人とも終始無言。余分な部分をそぎ落としていたような画作りもよかったと思います。聞こえてくるのは駒がパチパチ鳴る音、かすかな息づかい、それぐらいでした。言葉なしに伝わってくるものがあり、ここは役者の演技に圧倒されました。説明過多じゃない部分がよかったです。

究極の頭脳戦ということで、内心『デスノート』みたいなやりあいになったらイヤだな…と思っていたので、ホッとしてしまいました。戦況をほぼ説明せず(控え室での解説は多少あった)、演者の顔のみで勝負!って感じが良かったです。凄まじかったです。松山ケンイチは一手一手まるで命を削っているように打ち込んでいて、名演だったと思います。

盤面を見ても具体的に何がどうスゴいのかは分からなかったんですが(笑)、白熱した死闘の熱量みたいなものはビシビシ感じました。頭ん中がよくわからないのは逆に良かったのじゃないのかなー。あと、対局中にカットバックがいくつか入り(スローモーションで飛び立つ白鳥など)、ここは好みもあるかと思うんですが、個人的には好きでした。演者は二人とも棋譜を丸暗記してぶっ通しで撮影していたそうです。

劇伴が最高だったと思います。とくに映画前半はメリハリが効いていて大好きです。無音とそうじゃないときのバランスが絶妙でした。

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対局の最後に村山は痛恨の落手をしてしまいます。これが敗因となり、羽生に負けてしまう…。変な理由づけすることなくわりとアッサリ見せていたのが印象的でした。ものすごくあっけなかったです。ここはドラマチックに描きたくなりそうなものですが、そういうことをすると逆に嘘くさくなってしまったのかもしれません。ここの部分はなんとなく賛否ありそうな気がします…。個人的には、引っかかりはしましたが、悪くなかったですよッ!(上から目線)

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最も共感できたのは染谷将太が演じる大阪の三段棋士・江川でした。プロ棋士を目指している青年なのですが、年齢制限である満26歳の誕生日が迫っているため次の試合で負けてしまえば奨励会から退会となってしまう。四段に昇格できなければプロになることを諦めなければならないのです。試合の相手は中学生みたいなチビっ子棋士でした。理由はわかりませんが江川は対局中に鼻血ブー!!(興奮したから?) 血をダラダラ流しながら将棋を指す染谷将太の姿にはグッときました。血まみれになっても対局は続きます。

彼の「なぜ将棋をやっているのか」という理由が、「出会ってしまったから」というところもすごくよかったです。きっと誰しも動機はそういう曖昧なものなのでしょうね…。対局中の心境も突き詰めると「勝ちたい!負けたくない!」というシンプルなものになるのかもしれません。村山の「先のことをあれこれ考えても仕方がない。今僕らがやるべきことは目の前の一手に集中することだ」というセリフも突き詰めていった結論がそれだったのだと思います。

挫折する人間もしっかり描いていたし、そこでの葛藤もオチもあり、出番はそこまで多くはないけれど印象に残りました。染谷将太はいつも通りの名演でしっかり役をやりきっていたと思います。そして最終的に江川はプロ棋士の道を断念し、将棋関係の出版社へと勤めることに。やはり勝負の世界は甘くないのだなあと痛感しました。絶対血まみれになるような話じゃないはずなのに流血させてくれるのが個人的には最高でした。あ、あと車内での嘔吐シーンも一応ありました!

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森監督の監督作はこれが三作目で、『ひゃくはち』も『宇宙兄弟』も観ていましたが、『聖の青春』が一番面白かったです。元々ドキュメンタリー番組を製作していた方だったみたいで、監督の資質と話の相性が良かったんじゃないかなー。作品数は少ないですが、いまのところこれが最高傑作だと思います。

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脇を固める役者たちもすごく魅力的でした。棋士たちはみんなイイ味出していたと思います。リリー・フランキーも安田顕も今回は面白い演技せずにフツーの渋いおじさんに徹していたし、厭味もなくイイ感じでした。わりとリアルに存在しそうな人たちだったので、そのために主演二人の非凡感が際立ったような気もしました。筒井康隆は小汚い役が似合うようになってきましたね!

リリー・フランキーの「村山くん、これはあかん。これはもう詰んどる!」というセリフが印象的でした。村山聖の人生は将棋のようなものだったんじゃないのかな。

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柄本時生は煙草の吸い方と煙の払い方がサイコー!

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死んで悲しいというよりは、人間なんていつかは死ぬんだからそれまでに何をすべきか、どう生きるべきか、そういったものを考えさせられました。身一つでやってきて頭のみを使って盤上で死闘を繰り広げる棋士という職業がすごくカッコよく見えました。終盤はちょっと間延びしているような演出が気になりましたが、静かで熱い良い映画だったと思います。故人への敬意も感じました。

もし村山が病気で命を落とすことがなければ名人となっていたかもしれない。しかし病気になっていなかったら、そもそも将棋と出会うこともなかったかもしれません…。「僕には時間がない。だから勝たなきゃいけない」というセリフは切実で胸に迫るものがありました。

原作は未読のためどのへんまで脚色しているのか分かりませんが、向井康介の脚本はやっぱり好きですねー。主人公はダメ人間というほどではないですが、多少はそういう部分もあったりして、描き方は巧かったと思います。AVをちゃんと「アダルトビデオ」と言うあたりにも90年代を感じたりして…。原作も読んでみたくなりました。ということで、また長々とまとまりのない感想文になってしまいました…。最後に、好きな名セリフベスト3!


グッときたセリフ ベスト3
  • 「爪も髪も伸びるってことは生きてるって証拠だ」
  • 「神様のすることは、僕には予測できないことだらけだ」
  • (将来、プロ棋士がコンピューターに負けることがあると思いますか?)(ない)

おしまい

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ここで使用された将棋の駒は実際に村山聖が使用した遺品だったそうです。


主題歌は大嫌い。

聖の青春 (角川文庫)



『この世界の片隅に』感想。

良い映画でした。
個人的評価:★★★★★★★☆☆☆ 70点
この世界の片隅に
2016年11月12日公開/126分/日本/映倫:G
監督:片渕須直
声の出演:のん、細谷佳正、稲葉菜月、尾身美詞、小野大輔、潘めぐみ、岩井七世、牛山茂、新谷真弓、小山剛志、津田真澄、京田尚子、佐々木望、塩田朋子、瀬田ひろ美、たちばなことね、世弥きくよ、澁谷天外

初日にレイトショーで観てきました。民放のTV局の番宣なんかは圧力で(?)やってなかったらしいんですが、自分の観た回はわりと混んでてほぼ満席でした。全体的に年配の方が多かったです。ご老人の団体客が大勢いました…。

原作の漫画は未読の感想です(鑑賞後に購入しました)。なので観ている間は理解できてないところも多かった気がします…。正直、観ようかどうか迷ったりもしてたんですが、いろんな著名人の方々があまりにもベタ褒め&激推ししてらっしゃるので、「もう観るしかないな!」って感じで鑑賞!!

うーん、面白かったけど「うおおおお」と熱狂できるほどではなかったです。良い映画なんですけど、良い映画なんですけど、好きかどうかっていうと微妙だったかなー。泣いてません、笑いました。嫌いじゃないけど普通です…。

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<あらすじ>
1944年広島。18歳のすずは、顔も見たことのない若者と結婚し、生まれ育った江波から20キロメートル離れた呉へとやって来る。それまで得意な絵を描いてばかりだった彼女は、一転して一家を支える主婦に。創意工夫を凝らしながら食糧難を乗り越え、毎日の食卓を作り出す。やがて戦争は激しくなり、日本海軍の要となっている呉はアメリカ軍によるすさまじい空襲にさらされ、数多くの軍艦が燃え上がり、町並みも破壊されていく。そんな状況でも懸命に生きていくすずだったが、ついに1945年8月を迎える。
(以上シネマトゥデイより)

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ということで戦争映画です。しかし一貫して主人公すずの暮らしぶりが描かれているため、ちょっと特殊な戦争映画だと思います。たとえ戦時下にあったとしても、そこには日常という風景があり、そこで生活する人々がいる。笑ったり、恋したり、愛しあったりもする。そういった”普通の幸せ”を奪い去っていってしまうのが戦争だったのです。庶民の視点から戦時中の生活を描くという点がまず面白いところで、そういうものを描いた作品はいくつかあると思うんですが、これが物語の中心になっている日本映画はあまり多くないような気がします。最も評価されている点もそこなのかなと思います。

戦争と原爆という重い題材ですが、中盤まではビックリするぐらい何も起こりません。具体的な戦局などは映りません。体制側の人間も登場しますがチョイ役です。ひたすら庶民の暮らしぶりが描かれています。

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まず、主人公すずのキャラクターがすごくイイ。ほんわかした天然ボケっぽい雰囲気がとにかく可愛らしいです。彼女の周りに流れる空気感も心地よかったし、家族や親類や近所の人々とやりとりされる会話も楽しいものでした。庶民の視点から描いているだけに共感するところも多く、徹底的にディティールにこだわっていたようで生活のリアリティなども感じました。物語前半はかなり笑えるし、コメディとしての面白さもあると思います。

で、個人的に一番好きな部分なんですが、語りのテンポめちゃくちゃ良いな!ってことですねー。前半の空気感は、基本的にのんびりしているんですけど、細かいカット割りなんかも多くて、話の展開は超ハイペースだと思いました。観ていて退屈しない(できない)感じが最高に良かったです。それにも関わらず、日常的な生活は坦々とゆったり描かれていて、時間は留まることなく常に流れ続けている。ここのメリハリがしっかり効いていて気持ちよかったです。

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冒頭から年月日のテロップが何度も表示されて、これが原爆投下と終戦日までのカウントダウンのように思えました。これを見ただけでおそらく日本人なら誰しもそこに戦災が迫っていることが分かってしまいます。先を予見する恐怖感もありました。「この些細な幸せがこれから破壊されるのか…」と思うと、主人公の生き生きとした暮らしぶりがあるだけに、不憫にもなり、話が進むにつれて徐々に不安な気持ちが強まっていきました。ですが、誰が死ぬかも、死なないかもわからない。原作が素晴らしいのでしょうけど、脚本も演出も映像も丁寧に作られていたと思います。そのスリリングな部分をことさら強調して描いているようにも見えず、あくまでも主人公からの目線で生活を描くことに徹しているところが良かったです。

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何度も登場する食事のシーンが印象的でした。生きるためには何か食べないとならない。しかし食料の乏しい時代、配給される量は日々減っていき、闇市では何もかも値段が高騰している…。そのために人々は道端の野草を摘んだり、海面に浮かんだ魚を取ったり、水カサを増して米を焚いたりと献立にも工夫を凝らし、また、食べ物の絵を紙に書いて、それを見て飢えを凌いだりもしていました。しかし非常に厳しい食生活なのですが、なんだかそれさえも楽しんいるように見えました。「泣いてたら塩分がもったいない」というセリフが彼女たちの力強さを象徴しているように思えました。大切な人が亡くなっても腹は減るし、明日を生きていくためには食べなくちゃならないのです。

「戦時下で暮らす人々は不幸であり常に戦争と戦い続けているものだ」というイメージをなんとなく持ってしまっていましたが、それは実際にそうなのだと思います。しかし戦争という非日常も当時は意外と日常のこととして受け入れてたのかもしれません。塚本晋也監督の『野火』では戦場での極限状態の飢餓地獄が描かれていましたが、本作では飢えの恐怖や人間の尊厳が崩壊していく狂気などよりも戦争という辛い現実の中でも愉しみを見つけて乗り切っていく人間の力強さのようなものを感じました。主人公の視点から戦争を体験するような感覚はどちらも共通していたと思います。

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空襲のシーンは周りの風景と同等に扱われていたような気がしました。つまりそれさえも生活の一部であり、また、当時は逃れようのないものだったのだと思います。いきなり戦争がやってくるというよりは、戦争がジワジワと日常を侵食していくような感じでした。

そして1945年8月6日、広島市への原子爆弾投下。原爆が投下されるシーンも同じように、ピカッと閃光が遠くで輝くところが「何気ない日常の一部分」のような描かれ方をしていました(光を目撃した後も笑い合ったりしている)。その後になって、爆風で飛んできた広島市の回覧板を拾ったり、黒焦げになった人間が家の壁にもたれて亡くなっていたりするのですが、主人公たちはいったい何が起こっているんだか分からない。そういう不安や恐怖の描き方は巧かったと思います。当時もきっとこんな感じだったのかもなあ…と、そう思える説得力がありました。過剰さは抑えてリアリティを重視していた印象です。

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舞台となる広島県呉市は日本一の海軍工廠と呼ばれる港町だったそうで、そのためにアメリカ軍からの空襲に何度もさらされ爆破目標となっていたのです。

映画終盤、投下された時限式の爆弾が爆発し、姪っ子の晴美ちゃんが亡くなってしまいます。同時にすずの右手もふっ飛ばされます。ここが全体で最も悲痛なシーンでした。なんとか命は助かったものの、義姉に責められ、自分を責めて、大好きだった絵も描けず、以前の笑顔を失ってしまう主人公。戦争の残酷な面も目を背けずにしっかり描いていたと思います。

前半で日常描写の積み重ねがあったため、ここでの残酷さ、大切なものを失った喪失感、それらが際立ったように思います。絶望というよりは諦観のようなものを感じました。平穏と戦災とのギャップが大きくて、ここの落差は効果的でした。

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「なにも知らないまま死にたかったなぁ…」

姪っ子と右手を失ったことでそれまで存在していた生きがいを奪われてしまうすず。彼女がそれまで生きてきた世界は消えてしまったのです。そして戦争は終わります。玉音放送が流れ、直後の叫びは胸にきました。

「玉砕覚悟で戦うと言ったのに、なぜ敗北宣言をするのか、私にはまだ左手も両足もあって戦えるのに、負けを認めては、戦争で死んでしまった人達に申し訳が立たん!」と言うすず。

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お涙頂戴モノ映画だとは思いませんでした。感情の押しつけなどは感じなかったし、教訓めいた説教臭さも極力控えていた気がします。それに割合としては泣きよりも笑いの要素のほうが多かったです。フラットな目線で誠実に描いているような印象も受けました。

ラストシーンが前向きで爽快だったため、やりきれないほどの悲しさは残りませんでした。優しい映画だったと思います。街に明かりが少しずつ灯っていくシーンを見て、なんだか救われたような気分になりました。

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主人公の声優は女優のん(本名・能年玲奈)。彼女を起用したのは正解だったと思います。というか彼女以外に考えられない!ってくらいに声質と喋り方がすずさんにハマっていました。聞いていてとても心地よかったです。すずさんはのんさんだし、のんさんはもはやすずさん!そのくらいにキャラクターに同化していました。コミカルな演技もシリアスな演技も素晴らしかったと思います。上手いかというと…そんなこと全然ないと思うんですが、広島弁の違和感なんかまったく感じなかったし、相性が良かったんでしょうか…。まさに魂を吹き込んでいるという感じでしたね。主人公が実在していたら現在91歳なんだそうですよー。

正直、観に行くまでは「のん」ってことで半笑い状態だったんですが、『あまちゃん』以来の代表作になるんじゃないでしょうか。出演作はわりとチェックしてたんですが(『動物の狩り方』というのだけ観てない)、今までで一番楽しめました。「あちゃ~」「弱ったねえ」「困ったねえ」「えいッ!冷や~」とかね、もう可愛すぎでしょ!

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クラウドファウンディングのクレジット部分で映るアニメは原作から削られたシーン(口紅で描かれたエピソード)だったんだとか…。原作読んでもう一度見直したいです。

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白木リンさんのエピソードが削られていたようです。(とくに気づかず…)

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ミリタリー描写は緻密に描かれていました。それから爆撃の音なんかも音響にこだわっていたらしく、音は全部本物(?)だったんだとか…。これは迫力がありました。

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柔らかいタッチで温かみのある画でした。呉の町並み、山や海の風景、軍艦、昆虫、鳥の描写など、どれも普通にキレイでした。ビックリするほどクオリティが高いとは思わなかったです。

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戦時中であったとしても接吻もするし恋もする。意外と生々しかったです。

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そんなわけでいろいろ書きましたが、予想していたよりはフツーの面白い映画でした。テーマが重すぎるだけに安易に文句言えないのか、感想読むとどれも言葉を選びまくってる感じはしましたねー。批判するところもとくにないのですが…。子供からお年寄りまで万人が楽しめる映画だと思います。

実際に戦争を体験した方々から証言を取ったりと時代考証がすごいらしいので、戦時中の史実を後世に伝えていくためにも残すべき作品なのでしょう…。資料的な価値の高い作品なのだと思います。

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戦争を描いたアニメ映画といえば『はだしのゲン』(画像上)とか『火垂るの墓』などいくつかあると思いますが、そういうものと比べてしまうと、恐怖感は薄かったです。インパクトもありませんでした。腕がちぎれたり耳からウジわいたりしてるんですけど、残酷!ってほどでもなく、ここはショボかった。そもそもの原作に強烈な残酷描写ってのもあんまりないですし不必要なのかもしれませんが、個人的にはちょっと物足りないと思わずにはいられませんでした…。反戦映画としても、ちょっと弱い気がしました…(『炎628』とかに比べると)。それから、終始テンション低いってのも気になるし、やや予定調和な展開も…。リアリティ重視で描くとそうせざるを得ないのかなー。

好みではなかったです。語るべきは”今観るべき意味”とかそういうことなんでしょうね、きっと…。苦手です。

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2011年に放送された北川景子主演のドラマ版も一応観ましたが、戦争モノというよりは恋愛モノとして撮られており、欠損した右腕も冒頭で見せてしまう…。観る必要なかったかな…。


おしまい


↑予告

『GANTZ:O』感想。(PG12)

おっぱい!生首!妖怪軍団!ということで、エログロも充実していて大満足。
個人的評価:★★★★★★★★☆☆ 80点
GANTZ-O
2016年10月14日公開/96分/日本/映倫:PG12
総監督:さとうけいいち
監督:川村泰
原作:奥浩哉
声の出演:小野大輔、M・A・O、郭智博、早見沙織、池田秀一、ケンドーコバヤシ、レイザーラモンRG、レイザーラモンHG、津嘉山正種、小野坂昌也、津田健次郎、小川輝晃、吉田尚記、梶裕貴

公開から半月以上も経っちゃったんですが、ようやく観てきました。ファースト・デイで安いし、ほかに観たいものも無いし、そろそろ上映終わっちゃいそうだし…と、わりとテンション低めで観に行ったんですが、めちゃめちゃ面白かったですね。ほとんどずーっと妖怪と戦ってるだけみたいな映画でした!!そこが良かったです。原作は連載当時に読んでました。読み返したりもしていなかったので大阪編はうろ覚えの状態でしたが、問題なく楽しめました。

たぶん感想読む人はガンツ知ってると思うので詳しく説明しませんが、「夜にみんなで集まって殺しに行く」物語です。舞台は大阪。GANTZ - Wikipedia

GANTZ-O9

あらすじ

高校生の加藤勝は、地下鉄で起きた事件によって死ぬ。ところが次の瞬間、マンションの一室にいた。加藤はそこで、リーダーが不在の東京チームと一緒に火の手が上がる大阪に転送され、サバイバルゲームに参加することになる。大阪チームと遭遇し、妖怪型の星人軍団=百鬼夜行と戦いを繰り広げる加藤。一人で待つ弟のもとへ生還するため戦い抜く加藤の前に、大ボス“ぬらりひょん”が現れ……。
(以上シネマトゥデイより)

GANTZ-O10

感想

原作からの改変点がいくつかあり、初心者でもわかりやすくGANTZの世界へと入っていける作りになっていたようです。個人的には原作読んだけど細かい内容なんかはほとんど何も覚えていないような状態だったので、この辺の親切さは嬉しかったですね。ヘタに説明もしすぎずに見れば理解できるような演出でしたし極力ムダを排除していたようにも見えました。世界観イメージは原作そのまま、という印象でした。巧い改変だったんじゃないかなと思います。

GANTZ-O2

まず、画は文句なしでした。全編3DCGアニメーションなんですが、もうこれが圧倒的な映像美。凄かったですよ。CGアニメをそんなにいっぱい観ているわけでもないので、正直よくわかりませんけど、どうやら現時点での世界最高水準らしいです。キャラクターの人間たちはリアルな人間というよりはラブドールに近い質感だった気がしましたが、とくに違和感もなく観れました。背景の街並みなんかもすごくリアルだったし、ガジェット関係はどれもかっこよかったです。それから血の質感もドロドロしてて好みな感じでした。映像は全体的にクオリティ高かったと思います。そして、ここ重要なんですが、女たちがちゃんとエロくて可愛い。スーツはパツンパツンだし、巨乳で美形だし、シコリティ高め。自然に揺れるおっぱいも最高。視覚的には、けっこう満足できました。所謂、眼福映画ですよね、これは…。

GANTZ-O8

ドラマはほぼ無いっていうか、ストーリーは薄っぺらかったと思います…!!あえて削ぎ落としたような印象も受けました。加藤が死んで、部屋に転送されて、それから大阪で死闘を繰り広げ、そして生還する(家では弟が帰りを待っている)。それだけでした…。八割方戦闘シーンです。なんか後半ムリに人間ドラマ入れこんできた感じもしちゃったんですが、あれがないと本当に「戦ってるだけの映画」になっちゃうから必要だったんでしょうかね…。個人的にはドラマ部分をさらに削ってマジで戦ってるだけの映画でもよかったかなーとも思います。とにかくアクションシーンの連続なのでそれだけで十分面白いですし、迫力もありました。

GANTZ-O3

残酷描写は強烈でしたよ。けっこう好きです。とにかくあっけなく人間もバケモノもガンガン死んでいくし、人体破壊も見応えがありました。PG12ギリギリな表現だったと思います…。頭が吹っ飛ぶようなシーンはわりと隠していたり、カメラを引きで遠目から映していたり、あと、人体切断描写は肝心な部分でカット割っていたり、レイティング対策なのか分かりませんが撮り方は工夫しまくっていた感じがしました。「何を映して何を映さないか」という部分は気を使っていたんじゃないかな(当り前だけど)。そこでの引っかかりも感じなかったし上手だったと思います。妖怪は非人間なのでガンガン殺害しています。肉塊の表現なんかは楽しかったですね。終始血まみれの映画でした。

GANTZ-O4

百鬼夜行のごとく大量に登場する妖怪たちは、造形もみんなグロテスクで最高でした。単純に気持ち悪かったし、それぞれ重量感もあり、質感なんかも素晴らしかったと思います。ただ思ったのが、強敵が多すぎます…。ホントに強すぎて、これはどうなんだろう…と。倒した!と思ったら、また次の敵が出現!これの繰り返しなんですよねー。倒しても倒してもキリがない、ってのは分かるけど、ちょっとしつこすぎたような…。連載時でこういう展開になるのは、全然理解できるしアリだと思います。けど一時間半にこう何度も何度もだと、途中でダレましたよ。「またかよ」「もういいよ」「強すぎ」という気持ちにもなってしまい、ここは少し回数減らしたほうが良かったんじゃないかなーと思いました。見ててすごく疲れてしまいました。

牛鬼と対決するガンツロボは登場しただけで「うおおお!すげええ!なんなんだコイツ!」となり、観終わってから「なんだったんだアイツ…」って感じでした。テンション上がったけど、あまりにも唐突な登場と幕引きで…。脚本はだいぶ大味だった気がします。まあ、でも、そんなことどうでもいいのかな。

GANTZ-O6

後半の感動BGMは、うーん、ちょっと苦手でした。なので少しだけイラついてしまい、そして鈴木のオッサンが「なんか良さげなこと」ばかり言いやがるので、すいません、超鬱陶しかったです。原作でも、たしかそんな感じだったし、ここはたぶんただの個人的な好みの話だと思うんですが、「生きて帰れて良かったね」みたいなあの感じ、それに「命って大切だよね」(そんなセリフはありませんが)みたいな、ああいう雰囲気大嫌いなんですよ。加藤は純粋に正義の人だと思うんですが、鈴木のオッサンこそ偽善に見えました。だってさアイツ敵にぶっ倒されてから終わるまでずっと死んだフリしてたんでしょ?(気絶してたのかも知れないけど)マジで役立たずだし、そのわりには口ばっかり挟んでくるし、具体的な代案出さずに「それはダメだ!」みたいなこと言い出すし、もうムカつきましたよー。最初にムカついたのがどこだったか覚えてないけど、それからずっと批判的な目で見続けてしまったので、細かいところこっちが変に解釈してるだけなような気もしますけど、終盤のオッサンは絶対ヒドかったと思います。とくにマンションの部屋に戻ってからが、妙に善人ぶってて個人的には気に入らなかったですね。マジで百回くらい死んでほしいと思いました。全然活躍しないしさー。そのわりに年長者目線で人生を悟ったような物言いが…。感動よりも苛立ちのほうを強く感じてしまいました。ただの好みの問題かもしれないですが…。

GANTZ-O12

あとねー、人が頑張って必死に戦っているところを安全地帯から「危ないッ!」とか「このままだと…」とか好き勝手言ってんのもちょっと気になりましたよー。「私たちは戦力にならないから…」ってのは分かるんですけど、みんな武器持ってんだから少しでも応戦したりしろよ!とか思ったり…。でも、もし自分があの現場にいたら何もせずに誰かが戦ってんのを見てるだけなんだろうなーとも思ったり。あの呆然と立ち尽くしている雑魚キャラたちを見て『スーサイド・スクワッド』のボス戦での苛立ちなんかを思い出したりもしました。でも結局最後はみんなで一致団結して頑張ってたから良かったのかな(鈴木以外)。爆発はイイ感じの爆発でした。

GANTZ-O7

オムライスを作って帰りを待つ弟君…。

GANTZ-O5

声優は、岡八郎役のケンコバだけが浮いていたというか、なんか激しく引っかかってしまいましたよ。まず顔と声が全然合ってないし…。声に特徴ありすぎるのか、中の人の顔が浮かんでしまって、声当ててる感丸出しっていうのか、ケンドーコバヤシそのままな喋りでした…。ここは普通に普通の声優さん起用したほうが良かったように思います。岡八郎が一番かっこよかっただけに残念でした…。その他のキャラは、どれも合っていたし違和感なく観れましたー。HGとRGもハマってたと思います。良かった。

gantzo

めっちゃ可愛かった杏さん。

原作ファンに怒られそうですが、これは原作よりも可愛かったのではないんでしょうか。もうキュンキュンしましたよ。ときめきましたー。声優さんは知らん方でしたが、合ってたと思います。そんで、死に方もすごく素敵ですよね。胴体が真っ二つに切断されて死亡! カットは割っちゃってたので切断の瞬間は映ってなかったような気がしますが、やっぱり人体がバラバラになってこそGANTZだなーと改めて思いました。良い死に様でした。興奮した!!

GANTZ-O11

漫画原作とTVアニメ版はほぼリアルタイムで見てました。それから実写『GANTZ』は映画館で、『GANTZ PERFECT ANSWER』はレンタルで…と、一応は全部観た感想ですけど、原作から派生した映像作品の中では『GANTZ:O』が一番面白かったと思います(かなり文句も書いてしまいましたが)!

「96分で話こんだけ?戦ってるだけじゃん!」という意見もその通りなので、「大傑作!」と言われるとちょっと疑問に思わないでもないですが、キモい敵とグロいバトルを繰り広げる戦闘シーンこそがガンツの魅力だとも思うので、今回の『GANTZ:O』が最高の形だったのかもしれません。

guntz_oppai

大好きだった女体形態が面白く再現されていたところは嬉しかったです。感動しました。むしろ原作よりもっと艶めかしくグロテスクになっていたんじゃないかなー。テンション上がりましたよー。キモい!

gantz_kubi

生肩首のシーンは原作通りでした!サイコー!

o_oppai

二人揃って巨乳!大きさも形も理想的!そして質感がですね、柔らかすぎず!硬すぎず!これがすごく良い!まさに理想的なおっぱいで…ぷるぷるぽよぽよ何度も揺れて………。


おしまい


↑予告

GANTZ コミック 全37巻完結セット (ヤングジャンプコミックス)


エロ描写がエグいエロまでいかず”ちょいエロ”程度で留まってしまっていた点も少し不満だったんですよねー。セックス中毒のド変態が登場していたらもっと好きになれたような気もします。個人的にはすごく見たかったんですが、PG12にはキツめのキャラだったし、96分の尺で収めようとすると削らざるを得なかったんですかね…。R18+過激版とか作ってもらえないでしょうか、絶対に観に行くのに…。

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