酷かったです。メインの二人も嫌いになりそうです。
全体的にぎこちない印象。駄作…だと思います!
個人的評価:★★☆☆☆☆☆☆☆☆
romance
2015年8月29日公開/97分/日本/映倫:G
監督・脚本:タナダユキ
主演:大島優子 大倉孝二 野嵜好美 窪田正孝

小田急ロマンスカーの社内販売員として働いている北條鉢子(大島優子)と乗客の映画プロデューサー・桜庭洋一(大倉孝二)はふとしたきっかけから二人で1日箱根を巡ることに…。

romance3

旅が始まる前に二人とも嫌いになりました。
ラブコメっぽく最悪の出会いを演出したかったんだろうけど、万引き犯ってのは無理やり感がありました。それからの逃走劇も二人を箱根に置いてけぼりにしたいがためだけのものにしか思えません。
鉢子の対応もおかしいです。いちいち事を荒立てたいだけの言動が多いです。その後も気が強いというよりはただ単に態度の悪い非常識な女にしか見えません。初対面からずっとタメ口だし。ぶつぶつ独り言なんかを言っていて、わかりやすくわかりやすく頑張ってます。優秀(という設定)なのに客への態度が悪すぎるのが最初の違和感でした。

鉢子がゴミ箱に破いて捨てた手紙を拾い集めて読んでいる桜庭も…どうなの?と思ってしまいます。この行動が単純に気持ち悪いし、それに納得できないまま話が進みます。
二人が旅を共にする理由がこの手紙の内容なのですが…共感できませんでした。そうなるとここから先が苦しく、この時点でもうけっこう嫌いな映画でした。

一緒に行こうと言い出す桜庭の心情も理解できないし、仕事を放っぽり出して同意する鉢子もわからない。結局母死んでなかったし(たぶん)。
「ほんの些細な選択で、二度と会えなくなるって人が世の中にはいるんだよ」とか、桜庭はいかにも映画のセリフみたいなクサい発言が多すぎます(映画プロデューサーだから?)。
鉢子が唐突に過去を思い出したりするのも嫌でした(何度も何度も)。
感情の押し付けが多くて、つらかったです。

romance4
富士山ドーン!の名場面

手紙を読んだ途端に桜庭の態度は一変します。さっきまで最悪だと思ってた女に服を買ってあげたりと、妙に優しいです。勝手にわかりあった気になっていたりもするし…。
やたらと映画の話も多いです。
「日本にラズベリー賞が無くて本当に良かった」
「相米慎二に憧れたけれど、似なかった」
「予算が無いからってアート路線の芸術映画なんて作っててもダメ」
「夢がない映画なんてダメ」
…みたいなセリフが出てきたりします。
これってそのままタナダユキの心情なんじゃないのかと思ってしまいました。
そんな感じで映画作りの失敗を自慢げに語る桜庭。
鬱陶しいだけでした。説教くさくて嫌になります。

この映画、二人の会話を楽しめないとだいぶキツいです。
箱根を旅している登場人物たちは楽しいのか知りませんが、それを見てるこっちは退屈でしょうがないです。
そしてこれといってとくに何の事件もなく観光し続け、二人はお互いの不遇を共感し合い(?)仲良くなっていきます(なぜか)。 
二人ともどうなりたいのかハッキリせず、態度が曖昧な感じでいらいらしました。桜庭が鉢子とヤりたいだけの男なら最低なのだけど、一緒に行動する動機がハッキリするぶん序盤のわけわからなさが無くなる気もしました。
そうこうしているうちに夜になり、二人はラブホへ…。

romance5

風呂から上がった鉢子は母への思いを告白します。
そして予定調和な泣き演技。
そんな鉢子を桜庭は抱きしめ…ベッドに押し倒す(でもやらない)。この辺ちょっとリアルだけど最高にバカっぽい。ホテルではほぼ一貫してシリアスな雰囲気で頑張ってますが、感情移入してないと感動もないです。
結局行為には発展せず、お互い着衣のまま…(最悪です)。
打ちひしがれた様子で頭を抱えた二人はぐずぐずうじうじ。
小分けにしてしつこく入れてくる桜庭の映画作りへの弁解じみた愚痴にもうんざりしてきます。自虐からの慰められ待ちも、本当に鬱陶しいです。

そして会話の途中で鉢子は眠ってしまう(突然)。
そんな鉢子のおでこにキスをする桜庭。
…これは気色悪いだけでした。ぞわぞわする。観客をドン引きさせる演出がすごいです(たぶん狙ってやってないところがすごい)。
これが「ロマンス」なんでしょうか。もう心底嫌いになりましたこの映画。
終盤になって何度も繰り返す「いい日旅立ち」もしつこすぎるし、コインの表裏の良さ気な話もどうでもいいです。ラストのおさめかたもすごく無難で、何の驚きもありません。
全体通して好きなシーンも、なかったです…。
久々に本当につまらなかった。

romance2


ロマンス

新品価格
¥2,000から
(2016/6/3 18:12時点)