ペン回し描写が超かっこよかったです。そして北川景子は最高!
その他はすべてヒドい。原作なしのオリジナル脚本。

個人的評価:★★★☆☆☆☆☆☆☆
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2014年1月11日公開/105分/日本/映倫:G
監督:永井聡
出演:妻夫木聡 北川景子 リリー・フランキー 鈴木京香 豊川悦司

<あらすじ>
大手広告代理店に入社して間もない太田喜一郎(妻夫木聡)は、審査員として参加予定の世界一のテレビCMを決定する広告祭に向かう。夜ごと開催されるパーティーには同伴者がいなければならないことから、同じ職場の大田ひかり(北川景子)も妻として一緒に行くことに。さまざまな国から集結したクリエイターたちが自分の会社のCMをグランプリにしようと奔走する中、太田もひかりと共に奮闘する。
(以上シネマトゥデイより)

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映画のメッセージ自体は、すっごく好きなんですよ。

良いものは良い!
悪いものは悪い!
面白いものは面白い!
つまらないものはつまらない!


これには共感しかないし、審査会はこうでなきゃ無意味だと思います。
メディア全体がこうなってくれればものすごく幸せですよねー。
ですが、その見せ方っていうか、伝え方が最悪でした。
クソみたいなCM、クソみたいなCM…何回も言わないでほしい。
わかりやすいんですけど、全体的にイライラすることの多い映画でしたー。

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CMを見てクソか否か審査(ジャッジ!)する各国審査員たち。

ダメ社員の主人公がひょんなことから世界的な広告祭に参加することとなり、自社CMのグランプリ獲得を目指して奔走するってストーリーです。
入賞させれば会社の利益(230億)になるのですが、このCMというのが死ぬほどつまらない酷い出来なのです(CMを見てジジイが死にそうになったりする)。
失敗すれば主人公はクビ。
「本当に面白いものが評価されるべき!」と思いつつも、自分のクビがかかった審査でもあるため葛藤する主人公…。
ストレートなコメディだと思います。
舞台は海外(サンタモニカ)なので、おもしろ日本文化のギャグも盛りだくさん。
ちなみに主人公は電通の社員で、ライバルは博報堂(名前は変えてるけど)。

広告祭って、ちょっと興味のある舞台でもあるんで期待したんですけどね。
ビックリするような【業界あるある】なんかはとくにありませんでしたー。
展開が予定調和の連続なんですよ。だいぶキツかったです。

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「CMでみんなを幸せにしたい…。全人類を幸せにしたい!」 イイハナシダナー

脚本はソフトバンクの「白戸家」、そしてトヨタの「ドラえもん」シリーズを手がけたCMディレクターの方です。なので、映画全体のノリもあんな感じ。
そこにノレれば楽しめるんでしょうけど、個人的には両方とも大嫌いなCMなので(あれに面白がってる人がいるのか謎ですが)、この映画も苦痛でしたよ!
作り手がCMディレクターの人間で、映画の題材が広告業界なので、やっぱり実生活の出来事も入れ込んできてるんでしょうか。
主人公の製作したCMが合コンの際に「あのCMきら~い(笑)」などと批判されてるんですけど、その言い訳みたいな描写も多くて、不快でした。
つまらないCMを製作してしまった愚痴を聞かされてるようで…。

良いか悪いかは別にして、本来のセンスのみで感覚的に突っ走れば(石井克人とか関口現みたいに)もうちょっと面白くなったような気もします。
わりと理詰めで考えたようなストーリー展開なんですよね。

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マジで全員ぶち殺してほしかった。

何がつまらないって主人公に都合が良すぎるんですよ、なにもかも。
物語上の挫折や障害なんかも、伏線の登場も、オチのつけ方も、ほとんど全てがご都合主義に見えました。大きな破綻もないんだけど、面白味もない感じ。
驚きがないと観る意味もないぐらいに思っているタイプの人間なので、予想したことをなぞっていくような展開に辟易しました。
そして、とにかく見せ方がダサくてカッコ悪い!
終盤の懇切丁寧な審査会シーンも、もたもたしているだけにしか見えないし。
ものすごく鬱憤が溜まりましたよ。
これは、もしかしたら、監督がヘタクソなのかなあ…と思ったり。

それからキャストの無駄遣いも目立ちました。
新井浩文とか伊藤歩とか竹中直人とか加瀬亮とか木村祐一とか(他にも何人か)、いる意味あんの?と思いますよ。必要だったんですかねー。
なんとなく意味なく人材費かけてた印象です。

judge12
このデブが映画内の大ボス。最後は自爆して死亡パターン。

あと、真面目に議論している賢いシーンが一ヵ所くらいは欲しかったです。
各国から代表として参加してるんだから、もうすこし理知的な会話が必要だったと思います。
私利私欲の為の発言はあってもいいんですけど、CMについて真剣に討論している場面がないから、出席者全員バカに見えました。
討論してるんですけどね、「見りゃわかるよ…」ってことばかり言いやがるので、『イディオクラシー』の【ばかたち】と、そう大差ない印象でしたよ、こいつら。

judge10
この2人はお笑い要員。いかにも紋切り型のオカマ像で唖然。

<ライバルのCMを弁護する主人公の活躍シーン>
1.主人公(オタク)が超かっこよくペンをくるくる回す。
2.場が静まりかえる。
3.クソデブ「すげーな。あいつ」
  隣のババア「これをやる時は意見があるのよね?」
  議長「聞こうじゃないか」
4.オタク「これから大事なことを言う」
  オタク「(馬鹿みたいな発言)」
5.端役「どういう事だ? 意味が分からない」
  クソメガネ「おい! きちんと説明してくれないか」
6.オタク「沈黙は――――金(ゴールド)だ」
7.意味不明……なのに大盛り上がりの外人たち。
  「サムライ!」
  「ニンジャ!」
  「ゲイシャ!」

ここはマジでわけわからなかった。
意味ないんだと思うんだけど…。
ペン回しと「沈黙は金」発言はリリー・フランキーからの助言なのですが、これで何故に場が湧くのか…やっぱり理解不能です。
もちろん面白くはなかった。

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笑いどころが、毎回つまらないんですよね。ホントに。
登場人物たちの【名前】がけっこう重要で…。

妻夫木聡:太田 喜一郎(おおた きいちろう)
豊川悦司:大滝 一郎(おおたき いちろう)
北川景子:大田 ひかり(おおた ひかり)

物語の進行に関わってくることだし、作り手側としては「これおもしろいでしょ?」ってことなんだと思うんだけど、すいません、マジでしょうもないっす。
そして、全編通しての【オタク】ゴリ推しシナリオがすごくキツかった…。

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オタク文化カッコイイ!
オタク文化素晴らしい!
オタク文化超クール!
そういう押しつけもいいかげん飽きたし鬱陶しいです。
傍から見ればオタクはキモいし、カッコ悪いですよ。
それでいいじゃないですか、本人は楽しいんだから。
ネガティブなものを捻じ曲げて肯定するような行為には嫌悪感しかないです。
それでも電通がカッコイイといえばカッコイイことになったりしちゃうから恐ろしいですよねー。ぼくはわりとオタクです。

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「あたし、すごい賭けに出ちゃったかな!?」「いいんじゃないの?」

最高だったのは北川景子だけでしたよ!
ファンでもないんですけど…。
彼女は勝気で暴力的でガンガン攻める男前なギャンブラーなんですね。
仕事はできるけど、ほとんど賭博キチガイ。
職場のトイレで競馬予想しているような女です。
行動原理がとてもハッキリしていて、見ていて気持ちが良かったです。
現地に主人公の妻のふりをして同行する理由も単純明快(目的はカジノ)。
途中までは審査会の仕事に興味を示すこともないんですが、やる気に燃えてからがけっこう爽快でした。
簡易的な隠密行動(?)などをこなしつつ、やんわり主人公をサポート。
最終的には主人公と結ばれるハッピーエンドなんですが、「どこで恋に落ちたんだよ」というこちらの疑問にもカメラ目線でバシッと答えてくれるようなカッコイイ女性です。ラストで構造もぶち壊してくれたし、ガチSっぽくて良かった。

好きなところって、それくらいしかなかったですね。
ほかはあんまり楽しめませんでしたー。残念。

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バカ社長(でんでん)とバカ息子(ハマケン)。この2人は超ゲスくて好印象。

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