ただただ楽しいし、大好きな映画なんですが、『みんな~やってるか!』みたいな破壊力はないですよね、やっぱり。
<あらすじ>
組長を引退したものの、ヤクザの性分が消えないために普通の老人として生きていけない龍三(藤竜也)。そんな毎日にいら立ちを募らせる中、彼はオレオレ詐欺にだまされてしまう。人々をだます若い連中を許すわけにいかないと、龍三はかつての子分たちを召集して世直しをすることに。年齢に関係なくまだまだいけるとオレオレ詐欺のグループを倒しに向かう彼らだが、行く先々でとんでもない騒動を引き起こしていく。
(以上シネマトゥデイより)
コメディ映画です(たけし本人もビートたけし名義での出演)。キタノ映画はほぼ全作大好きなんですが、たぶん一番感動の薄い話だったと思います…!
今回キタノブルーは封印(?)して総天然色を意識していたようです。なので、わりと派手派手しい色目が印象的でした。
ほとんどショートコントとギャグの連打みたいな内容なので、まあ笑うんだけど、泣いたり何か考えさせられたりってのは、あんまりなかったです。しかし、こういう映画をいまだに撮ってくれること自体にちょっと感動します。このゆるさはなんとなく『菊次郎の夏』っぽいなーと思いながら観てました。『ソナチネ』や『HANA-BI』のような重々しいバイオレンスなんかは皆無です。
人が死んでても爆笑できる系統の映画です。
90年代には省いていた言わなくてもいいようなセリフも多いんですけど、それがしっかり笑いになってます(と思います)。
とにかくこれはジジイの映画です。
ショボくれた余生を過していたジジイたちが、死ぬ前にもう一花咲かせてやろうじゃねえか!みたいな話です。
以前は大物ヤクザだったんですね、みんな。それがオレオレ詐欺に騙されたことをきっかけにして組を再結成。
それから悪事(世直し?)を重ねていくんですが、それが成功しても失敗しても、なんとなくどっちでもいいような雰囲気も漂っていました。まあ、犯罪者集団が小さな犯罪を重ねていくようなストーリーなんですけど…。
死にそうなジジイたちだから許せちゃうんですかねー。
わりとだらだらしてますよ。抗争のスケールもやたらとちっちゃいし(笑)。狭い町内でやりあっているような感じです。
それが面白かったりもしたんですが。
初期のキタノ映画って一瞬も見逃せないような緊張感が常に張りつめてたんですけど、そんなのはないです、今回のは。
最も印象的なジジイが中尾彬でした。
たぶん終盤は一番目立ってたし、笑えるジジイだったと思います。
とりあえず、いろいろあって、この人は死にます!
ヤスケンに秒殺されることに…(鉄バットで一撃)。
暴力の瞬発力はやっぱり凄い!
殴った瞬間に次のカットで棺に入っていたりします。
そして死んでからが最高なんですよね。
死体の使い方が本当に不謹慎で素晴らしかったです。
ひどい扱いされてるんですけど、ある意味おいしい役でした。
この映画は不謹慎なギャグがとにかく多いです。老人介護、詐欺、右翼、ゲイ、ヤクザ、焼き鳥などなど。思いつきだけみたいな小ネタの量も多かったです。
ぼくは素直に笑えましたが、怒る人がいてもおかしくないと思います。
敵はみんなケチでせこい小悪人。すごくナイスな配役。
彬を殺された復讐のために事務所に乗りこむジジイたち。
抗争に巻きこまれた死体はこんな感じに…。
どのジジイもカッコ悪くて、惨めで、バカで、最高におかしかったです。ベテラン俳優としての経歴がすごいだけに、そこの落差で笑えると思います。個人的には、『エロ事師たちより』そして『恐怖奇形人間』にも出てたエラい人・近藤正臣さんが好きでした。「おじいちゃんがんばれ!」と、温かい気持ちで観れました。なんか応援したくなりましたよ。孫目線かもしれません。
終始楽しい映画でした。ちゃんと人も死ぬし、おもしろいカーチェイスもあるし、ラストもスパッと終わってくれます。
下條アトムの使い方とかラストのツッコミなんかもよかったです(チーン!)。
萬田久子っていうチョイスも、なんとなくすごいし…。
そして暴力のセンスはいまだに衰え知らずという感じ。
文句がないわけじゃないんですけど(脚本がアレだとか、カット割りがテレビ的だとか、濡れ場がないとか)、『アウトレイジ3』じゃなくてこういう黒いコメディを撮ってくれただけでも、なんか嬉しかったですよ。
そしてコメディ路線のキタノ映画がもっと見たいなーと思いました。
賛否ある『みんな~やってるか!』もホントに最高だし、いまだに大好きです。
たけし本人は、やや凶暴な刑事役での出演でした。
悪いやつをぶん殴ってくれると、やっぱりスッキリします。
個人的評価:★★★★★★☆☆☆☆
2015年04月25日公開/111分/日本/映倫:G
監督・脚本・編集:北野武
出演:藤竜也 近藤正臣 中尾彬 安田顕 勝村政信 小野寺昭 萬田久子
監督・脚本・編集:北野武
出演:藤竜也 近藤正臣 中尾彬 安田顕 勝村政信 小野寺昭 萬田久子
<あらすじ>
組長を引退したものの、ヤクザの性分が消えないために普通の老人として生きていけない龍三(藤竜也)。そんな毎日にいら立ちを募らせる中、彼はオレオレ詐欺にだまされてしまう。人々をだます若い連中を許すわけにいかないと、龍三はかつての子分たちを召集して世直しをすることに。年齢に関係なくまだまだいけるとオレオレ詐欺のグループを倒しに向かう彼らだが、行く先々でとんでもない騒動を引き起こしていく。
(以上シネマトゥデイより)
コメディ映画です(たけし本人もビートたけし名義での出演)。キタノ映画はほぼ全作大好きなんですが、たぶん一番感動の薄い話だったと思います…!
今回キタノブルーは封印(?)して総天然色を意識していたようです。なので、わりと派手派手しい色目が印象的でした。
ほとんどショートコントとギャグの連打みたいな内容なので、まあ笑うんだけど、泣いたり何か考えさせられたりってのは、あんまりなかったです。しかし、こういう映画をいまだに撮ってくれること自体にちょっと感動します。このゆるさはなんとなく『菊次郎の夏』っぽいなーと思いながら観てました。『ソナチネ』や『HANA-BI』のような重々しいバイオレンスなんかは皆無です。
人が死んでても爆笑できる系統の映画です。
90年代には省いていた言わなくてもいいようなセリフも多いんですけど、それがしっかり笑いになってます(と思います)。
上画像は小野寺昭不在のメインキャスト
とにかくこれはジジイの映画です。
ショボくれた余生を過していたジジイたちが、死ぬ前にもう一花咲かせてやろうじゃねえか!みたいな話です。
以前は大物ヤクザだったんですね、みんな。それがオレオレ詐欺に騙されたことをきっかけにして組を再結成。
それから悪事(世直し?)を重ねていくんですが、それが成功しても失敗しても、なんとなくどっちでもいいような雰囲気も漂っていました。まあ、犯罪者集団が小さな犯罪を重ねていくようなストーリーなんですけど…。
死にそうなジジイたちだから許せちゃうんですかねー。
わりとだらだらしてますよ。抗争のスケールもやたらとちっちゃいし(笑)。狭い町内でやりあっているような感じです。
それが面白かったりもしたんですが。
初期のキタノ映画って一瞬も見逃せないような緊張感が常に張りつめてたんですけど、そんなのはないです、今回のは。
ちゃんと流血するシーンもありますよ!
最も印象的なジジイが中尾彬でした。
たぶん終盤は一番目立ってたし、笑えるジジイだったと思います。
とりあえず、いろいろあって、この人は死にます!
ヤスケンに秒殺されることに…(鉄バットで一撃)。
暴力の瞬発力はやっぱり凄い!
殴った瞬間に次のカットで棺に入っていたりします。
そして死んでからが最高なんですよね。
死体の使い方が本当に不謹慎で素晴らしかったです。
ひどい扱いされてるんですけど、ある意味おいしい役でした。
この映画は不謹慎なギャグがとにかく多いです。老人介護、詐欺、右翼、ゲイ、ヤクザ、焼き鳥などなど。思いつきだけみたいな小ネタの量も多かったです。
ぼくは素直に笑えましたが、怒る人がいてもおかしくないと思います。
敵はみんなケチでせこい小悪人。すごくナイスな配役。
彬を殺された復讐のために事務所に乗りこむジジイたち。
抗争に巻きこまれた死体はこんな感じに…。
どのジジイもカッコ悪くて、惨めで、バカで、最高におかしかったです。ベテラン俳優としての経歴がすごいだけに、そこの落差で笑えると思います。個人的には、『エロ事師たちより』そして『恐怖奇形人間』にも出てたエラい人・近藤正臣さんが好きでした。「おじいちゃんがんばれ!」と、温かい気持ちで観れました。なんか応援したくなりましたよ。孫目線かもしれません。
終始楽しい映画でした。ちゃんと人も死ぬし、おもしろいカーチェイスもあるし、ラストもスパッと終わってくれます。
下條アトムの使い方とかラストのツッコミなんかもよかったです(チーン!)。
萬田久子っていうチョイスも、なんとなくすごいし…。
そして暴力のセンスはいまだに衰え知らずという感じ。
文句がないわけじゃないんですけど(脚本がアレだとか、カット割りがテレビ的だとか、濡れ場がないとか)、『アウトレイジ3』じゃなくてこういう黒いコメディを撮ってくれただけでも、なんか嬉しかったですよ。
そしてコメディ路線のキタノ映画がもっと見たいなーと思いました。
賛否ある『みんな~やってるか!』もホントに最高だし、いまだに大好きです。
たけし本人は、やや凶暴な刑事役での出演でした。
悪いやつをぶん殴ってくれると、やっぱりスッキリします。
三又又三の出演は今回もなし。
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